政次郎のパン
県産小麦でますます美味しく

山小屋風の店は５人ほど入れば満員御礼。それでも、次から次へと来客の絶えない人気店です。中に入ると、いい香りが充満しています。

「政」の焼き印が押された食パンは1999年の開店以来の看板商品。昨年５月、小麦をこれまでのカナダ産から群馬県産「ゆめのかおり」に変えました。

「パンに向かなかった国産小麦粉が品種改良で美味しく作れるようになった。お客さまの要望もあり地産地消を目指しました」とオーナーシェフの大島政次郎さん。「１日経ってもしっとり感がある」と品質はさらに向上、変わらぬ支持を集めています。

食パンの食べ方で大島シェフが提案するのが、近くにある「ピッツェリア・ペスカ」が新発売した「トーストハーブオイル」。「開発中に試食したが、オリーブオイルにいろいろな香草が入っていてアヒージョみたい。素晴らしく美味しかった」と絶賛する。

シンプルな味のイギリス食パンのトーストやバゲット、チャバタに特に合うと薦めてくれた。さっそく、家で試してみよう。

焼き立てのパンが続々と運ばれ、つい手を伸ばしたくなります。クロワッサンのサンド、揚げ立てカレーパン、くるみパン…。あっ、ブレッツェルもある。ドイツの塩パンはビールに最高です。

高校時代に近所のパン屋さんでアルバイトしたのがこの道に入ったきっかけだった。

「ドイツパンやフランスパンが好きで、作って楽しいハード系、食事系に力を入れている」と職人気質をみせる半面、「お子さまからお歳を召した方まで楽しんでいただけるようリクエストに応えます」と経営者の顔をのぞかせます。「100種類くらいに抑えようとしますが、気が付けばどんどん増えてしまう」と苦笑い。根強いファンのため早起きの毎日が続きます。