味よし
カツカレーの気分の日

「カツカレーが食べた～い」。ということで、馴染みの店にやってきました。お冷が届くや「カツカレーください」。すると、「ナポリタンじゃないのね」と奥さま。ナポリタン星人と見られていたようです。

やってきました、カツカレー。たっぷりのカレーでライスが見えません。真ん中に置かれたカツの上にもしっかり掛かっています。福神漬けがあるだけで大きさも普通。でも、この素朴さがいいんです。やたらでかいのがありますが、最後は飽きてしまいますから。

まずはカレーから。適度に粘度があって、やや辛口仕上げ。カレー専門店のような特別なスパイシーさはなく、懐かしくほっとする味です。

カツは衣がしっかりしています。カレーを掛けることを計算してのこと。サクサク感が残っています。カツカレー、発祥は諸説あるようですが、考えた人に国民栄誉賞を与えたいですね。

後半はソースをかけちゃいます。こちらのソースはどろっとしたとんかつソース。カツやフライにはもちろん、カレーにもよく合うんです。

しかし、カツカレーの威力はすごいですね。後から来たお客さん、悩んだ末にほとんどがカツカレーを注文します。匂いにやられましたね。

店主の直井晴夫さんがけがをされ、２カ月ほど休業しましたが、何とか再開にこぎつけました。厨房は息子さんが孤軍奮闘しています。「ごちそうさまでした」と声を掛けると、忙しい中、「ありがとうございます」とわざわざ顔を出してくれました。

ナポリタンもオムライスもエビフライもみんな美味しい。半世紀にわたって愛される町の洋食屋さん。まだまだ繁盛しそうです。