麺や　ME BU KU
降臨 上州魔界もつ煮ラーメン

敷島公園近くの住宅地にあり、看板のない幻のラーメン店。「上州ご当地ラーメンができた」と店主が得意そうに連絡してきたので半年ぶりに行きました。

「『上州魔界もつ煮ラーメン』だよ」。大きな丼に大きな豚もつがごろごろ。中央に卵黄を載せ、周りをニラの粗みじんで彩っています。へぇ、旨そうだな。

まずはスープを一口。とたんにむせます。か、辛い。辛すぎる。「どうだ、魔界だろ」とドヤ顔の店主。

麺を啜ると、またむせます。啜れない。「な、何が入っているんですか、この辛さは」

「ジョロキアの生ソースだよ。ハバネロの３倍辛いらしいよ。あ、よかったら小皿に付けた唐辛子と刻みネギを和えた薬味を入れてみて」。冗談でしょ。顔中から汗が止まりません。

卵黄を崩して麺を絡ませると、少しはマイルドに。味噌ベースの奥深い味も感じられました。

もつはとろとろの大腸とコリコリのガツ。野菜はダイコンとニンジン。激辛の中に甘みがあります。

麺はストレートの太麺。必要以上にスープを絡ませないのが幸いです。

「最高ですね。もつが旨いしラーメンにするとは」「そうだろ、専門店の『閻魔大王』で買ってきたから。『王里』と『とりよし』でもつ煮ラーメン食べたら美味しかったんで、パクッ、いやオマージュしたんだ。麺は石田製麺工場で買ってきた」「…」

毎度、つまらない小話にお付き合いいただき、ありがとうございます。前橋新聞「me bu ku」の編集長です。みなさまのお手元に第12号「植物と動物」は届きましたでしょうか。お陰さまで丸３年。「めぶく。」前橋となるようさらに精進してまいります。