鴨だしラーメン 鳴馬良（なまら）
昆布水つけ麺 最後の一杯

残念な知らせを受けました。「２月28日をもちまして閉店することとなりました。心苦しい決断でありますが、最終日までしっかり頑張ります」。前橋市内で一番好きなつけ麺、心していただきます。

茹でた麺を氷水で締めます。いつもと変わらず丁寧な仕事ぶり。全粒粉の細麺を最高の状態に仕上げます。北海道産のとろみの強い昆布から取った昆布水の中にきれいに折り畳められています。

具は低温調理した豚肩ロースのチャーシューと海苔、ライム、ミツバ。和食の美を感じます。

まずは、麺に藻塩を付けて啜ります。プチッと麺を噛むと、昆布水のとろみで閉じ込められていた小麦の香りが沸き上がってきます。ワサビを乗せると、さらに引き立つ香り。麺喰いにはたまりませんね。

つけ汁は看板通り鴨出し100％。蕎麦の鴨汁より鴨は主張せず、脂濃さもありません。旨みのみをじっくりと抽出したようです。昆布水が絡まった麺に出汁がよくまとわり、おいしくいただけます。

汁にも鶏ムネチャーシュー、煮卵、極太メンマに以前はなかった油揚げも入って具だくさん。白いネギと青いニラの薬味がいい仕事していますね。

麺も具もすべて平らげたらスープ割りのように昆布水を投入します。余韻を味わいます。これで最後。食べ収めができました。

上田市に移転した創業者の跡を継いで店を切り盛りしてきた店主の下山純さん。まだ若く、ラーメン人生の第二章を期待しています。