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食べたい
フランス食いしん坊旅
3都市食べまくり、最後にまさかの落とし穴
2026.10.17

パリの美食は変幻自在
フランスに行くなら、おいしいものを食べたい。できれば、その土地ならではのものを。そんな食い意地を道しるべに、パリ、南仏のセート、リヨンの3都市を巡ってきました。
まずはパリ。老舗の有名店も気になりますが、今回は「いまのパリ」を味わおうと、ミシュランガイド掲載のネオビストロ「EELS(イールズ)」へ。
▲お花の下にウナギの燻製が
4皿のコースにワイン5杯のペアリングという、なかなか欲張りな注文です。最初に登場したのは燻製ウナギの前菜。日本では蒲焼きでおなじみのウナギが、なんともおしゃれな姿に変身しています。
続く魚料理、肉料理は、どちらもびっくりするほどのボリューム。ワインも次々に注がれ、胃袋は早くも満員御礼。お腹が張り裂けそうなのに、隣のフランス人たちは涼しい顔で平らげています。いったい、どういう胃袋をしているのでしょう。
▲豚肉3種類、違う部位が登場
市場で食べたガレットも衝撃でした。そば粉の薄い生地に、野菜もチーズも山盛り。焼いているときから衝撃でしたが、紙に包んで手渡された瞬間、重い! 熱い!
3人でようやく1個を食べ切りました。フランスでは屋台料理も容赦がありません。
▲生ハムをドバっと。これがフランスのガレット
スフレ専門店「Le Soufflé(ル・スフレ)」では、ザリガニのソースを使ったものと、看板料理のキノコのスフレを注文。スフレといえば甘いお菓子と思っていましたが、こちらは立派な食事。ふわふわの生地に濃厚なソースが絡み、また違うフランス料理の世界を知りました。
▲ブスッと穴をあけ、ソースを注ぎます
セートでは牡蠣、また牡蠣
パリから列車で南へ約4時間。地中海と牡蠣の養殖が盛んなトー湖に挟まれた港町、セートに到着しました。運河を漁船が行き交う、のんびりした街です。
お目当てはもちろん魚介。市場では牡蠣とエビの盛り合わせが20ユーロ。そこにシャンパンを合わせれば、もう言うことなし。昼間からこんなことをしていていいのかと思いながら、牡蠣をつるり。
▲パリで食べる半値で、新鮮魚介
別の店でも魚介のスープに生牡蠣。牡蠣を食べに来たのだから、遠慮は無用です。
夕食は郷土料理の「L’Auberge(オーベルジェ)」へ。店のスペシャリテ「マテ貝のオーベルジェ風」は、細長い貝殻を覆うほどソースがたっぷり。ハーブの香りと貝のうま味が口いっぱいに広がります。
▲ソースまであますところなくパンでぬぐいました
さらに現れたのは、縦割りにした大きな牛の骨。料理名は「オス・ア・モエル」。骨の中のとろりとした髄をスプーンですくい、パンにのせて食べます。骨の中まで食べてしまうとは、フランス人の食への執念もなかなかのもの。アサリのスパゲティも平らげ、港町の夜は更けていきました。
▲とろりと脂っこい骨の髄
食の都で編集長に異変
最後はリヨン。フランス屈指の美食都市で、庶民的な郷土料理を出す「ブション(大衆食堂)」でも知られています。
到着するなり向かったのは、屋内市場「レ・アル・ド・リヨン・ポール・ボキューズ」。精肉店、魚屋、チーズ店がずらり。食いしん坊には、ちょっとした遊園地です。
▲通称、ポールボキューズ市場へ
まずは生の牛肉を刻んだタルタルステーキ。そして魚介売り場では、またまた生牡蠣。生のムール貝に生ウニまで一皿に盛ってもらいました。海のないリヨンで、こんなに新鮮な魚介に出合えるとは。
▲タルタルステーキ、絶品でした
▲生ガキ、生ウニ、バイ貝、そして生のムール貝を盛り合わせで
ところが翌日、同行した編集長が激しい腹痛と下痢に。生貝が原因かどうかはわかりませんが、よりによってこの日は、旅で一番楽しみにしていたミシュラン二つ星「TAKAO TAKANO(タカオ・タカノ)」の予約日です。
山梨県出身の高野孝雄シェフが腕を振るう、現代フランス料理の名店。
▲日本人シェフで二つ星を獲得した鷹野氏のレストラン
最初のアミューズは茶わん蒸しを思わせる一品。前菜には牡蠣と野菜を爽やかに組み合わせた料理が運ばれました。
魚、肉料理を経て、チーズはワゴンにずらりと並んだ中から好きなものを選び、最後の焼き菓子には鉄瓶でいれたお茶。至る所に日本の感性を感じます。それがフランスで高く評価されていることが、なんだか自分のことのようにうれしくなります。
▲アミューズです
▲こんなチーズワゴン初めて。ざっと数えて20種以上
一方、編集長は料理を楽しむどころではありません。脂汗をこらえながらやっと椅子に座っています。せっかくの二つ星なのに、なんとも気の毒な結末となりました。
でも振り返ると、旅の間、何度「おいしい!」と口にしたことでしょう。
フランス人の胃袋に驚き、美味を食べまくり、最後はお腹が悲鳴を上げる始末。食いしん坊の旅には、胃袋の底力も問われるようです。


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