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【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.60】
玄関劇場 365日上映
2026.08.04
帰宅して、靴を脱いだ時、まず最初にやる事がある。すぐに玄関全体を撮影するのだ。
前橋のマンションは、狭いから撮影対象にはもってこいだ。画像を連続して眺めると、靴が狭い檻の中で右往左往している動物のように見えて笑ってしまう。
時々傘が現れ、それが連続すると梅雨に入った事が分ったりする。
玄関の他には、トイレに座る自分と、ベランダを撮り続けている。
▲玄関
▲トイレに座る自分
ずいぶん前の事だけれど、テーブルの上に置かれたサラダとご飯、焼魚を食べずに放置して1日1回撮影し続けた事があった。いったいどう変化するのか記録したかったのだ。ところが、数ヶ月も続かなかった。悪臭が酷くてとても耐えられなかったのだ。サラダは緑の液体、ご飯は色とりどりのカビが咲き誇った。それ以来、室内の撮影で生ものはやめた。
玄関で生乾きの傘が臭かったり、靴が少し匂ったとしても、可愛いものである。(笑)
Sakumi Hagiwara
※萩原朔美さんが前橋に来てから10年間、スマホを片手に散歩しながら前橋のまちを撮影した写真を集めた「音楽する写真-萩原朔美の前橋10年」は前橋文学館で開かれています。詳しくはこちらから。
▲ベランダの稜線
▲ベランダのアニメ
萩原朔美(はぎわら・さくみ)
1946年11月、東京都生まれ。寺山修司が主宰した「天井桟敷」の旗揚げ公演で初舞台を踏む。俳優の傍ら、演出を担当し映像制作も始める。版画や写真、雑誌編集とマルチに才能を発揮。世田谷美術館に版画、オブジェ、写真のすべてが収蔵されている。著書多数。多摩美術大学名誉教授。2016年4月から前橋文学館館長(現在は特別館長)。2022年4月から金沢美術工芸大客員教授(現在は客員名誉教授)、2023年7月から前橋市文化活動戦略顧問。


