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日英堂
113年続く味 食べ比べ

2026.05.24

創業時から残る味

 住吉町の旧安田銀行担保倉庫向かいに、大正2(1913)年創業のパン屋「日英堂」があります。淡いピンクの外壁に「BAKERY & CONFECTIONERY」の文字。店に入ると、棚や平台に食パンや菓子パン、総菜パンが並んでいます。

 いまは3代目の清水久二雄さんご夫妻と息子さん、娘さんの一家4人で店を守っています。

▲三代目、清水久二雄さん

 創業当時から続くパンを教えてもらい、いくつか買ってみました。

 ロールパンは、よく見る細長い形ではありません。かたつむりのように丸く渦を巻いています。割ると生地はほんのり黄色く、口に入れるとやさしい甘さとバターの香りが広がります。

▲デニッシュと思いきや、ロールパン

 黒ぶどうパンはコッペパンの形。黒砂糖を入れた生地にレーズンがちりばめられています。見た目より甘さは控えめで、生地にはしっかりした引きがあります。噛むほどに黒砂糖の香ばしさとレーズンの酸味が出てきます。

▲素朴さがいい黒ぶどうパン

名物はクリームサンド

 目当ては名物のクリームサンドです。コッペパンにバタークリームと杏ジャムを挟んだ一品。バタークリームは重くなく、空気を含んだなめらかさがあります。生クリーム派でも、これはかなりいい。杏ジャムの酸味が入ることで、甘さだけに寄らない味になります。

▲クリームふんわり

 コロッケパンも根強いファンが多いそうです。丸いパンに、ソースのかかったコロッケがひとつ。それだけの潔さです。コロッケはジャガイモ感がしっかりあり、パンと一緒に食べると、昔からある総菜パンの強さがそのまま伝わってきます。

▲コロッケパン、潔し

 ジャムパンの杏も手作りが基本です。「杏のある木のお宅に行って、ゆずってもらった杏を使っていた。最近、なくなってきてね」と清水さん。やわらかなパンの中から、控えめな甘さの杏がのぞきます。

▲やさしい手作り杏ジャム

  60年ほど前からは、卵、乳製品、大豆を使わないアレルギーパンも作っています。近所の子どものために先代が焼いたのが始まり。地域の人たちに支えられながら種類を増やしてきました。メロンパンを食べても、材料を制限しているとは思えない仕上がりです。

▲キメの美しいメロンパン

▲原材料はこのとおり

 創業から113年。昔からの菓子パン、根強い人気の総菜パン、そしてアレルギーパンまで。日英堂の棚には、町のパン屋が重ねてきた時間が並んでいます。

店舗情報

日英堂

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027-231-3725
住所 前橋市住吉町1-15-10
営業時間 9時~19時
定休日 日曜、祝日