カパーニュ山水
山水会館の歴史を紡ぐ

前橋で洋食の草分け的存在だった「山水会館」の流れを汲むと聞き、やってきました。JAビルの２階。珍しい回転扉を押しながら入っていきます。

職員食堂みたいですが、テーブルや椅子は重厚感があります。どことなく山水会館の面影があるような。お薦めのチキンカレーをお願いしました。

カレーは魔法のランプのような錫製のポットに入ってきました。何だか得した気分になりますね。自分で好きなように掛けられますから。

黒いルーです。小麦粉を焦げ茶色になるまでローストするのでしょう。これも重みを感じます。

激辛とまではいきませんが、辛くてスパイシーです。具は大きな鶏モモ肉がごろごろ。野菜はルーに溶けているようです。シンプルかつ上質。歴史のある洋食屋さんのカレーといえます。

ナポリタンも品がありますね。ベーコンやマッシュルームのほか、エビも入っています。トマトソースとケチャップを合わせたソースも秀逸。パスタは細めでアルデンテよりやや柔らかめに仕上げています。

山水会館は1961年、中心街に誕生、結婚式場も兼ねていました。当時の最先端の洋食を味わえ、人気でした。「山水鍋」というチーズを入れる洋風の鍋があり、冬はいつもそればかり食べていました。

惜しまれながら1979年に閉店しました。カパーニュはJAビルが建設された1981年に開店、山水会館で働いていた人たちも勤めたようです。40年以上が経ち、元従業員はいないでしょうが、歴史はきちんと引き継がれていると感じました。