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食べたい

亡き夫の寿司店を守って
富鮨

2022.09.02

気の利いたつまみがうれしい

掘り炬燵式のカウンターに陣取り、冷蔵庫から勝手にビールを取り、栓を抜きます。冷えたジョッキに注ぎ、冷たいのをプワー。幸せな瞬間です。

お通しは山形県の「だし」がたっぷりかかった冷や奴。キュウリ、ナス、オクラ、ミョウガと夏野菜が勢ぞろい。細かく刻んだら、「なっとう昆布」でとろみをつけ、麺つゆで味を調整します。ただの奴がスペシャル奴になります。

続いては水ナス、シシトウの漬物とエダマメ。エダマメは両端が切り揃えられ、塩加減、茹で加減が抜群。こういう細やかな心配りがうれしいですね。

長崎県出身のご主人は都内で修業、縁あって40年以上前に前橋市に店を出し、支店もありました。いいネタを使い、熟練の技で握った寿司は最高に美味しかった。そんな味の記憶があります。

病気のため4年前に亡くなり、店はしばらく閉じられていました。しばらくして前を通ったら、店に明かりが灯っていました。奥様が主に常連さん相手に小料理屋として再開したとのことでした。

▲「だし」は手作り。作り方を習いました

▲エダマメも手をかければ美味しくなる

▲イカ刺しはエンペラも切ってくれました

いつの間にか寿司も握る

刺身や寿司はご主人の領分でしたが、「門前の小僧」でしょう。きれいな刺身を切ってくれます。「寿司は握れないのよ」ということで、手巻き寿司にして〆をいただいていましたが、先日、隣のお客さまに寿司をお出ししていました。きれいな握りでした。

常連さんが持ち込んだ天然のチタケの煮ものを御裾分けしてもらいました。美味しくて、つい焼酎のボトルを追加しちゃいました。居心地のいい、本当は教えたくなかった店です。

▲常連さんからいただいたチタケの煮もの

▲大きな湯呑。小で1升、大は2升入るとか

▲「富」の看板にひかれて常連が集まります

店舗情報

富鮨

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027-233-1061
住所 前橋市下小出町2-20-3
営業時間 17時~21時
定休日 月曜、火曜、水曜