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あかぎ団の森を育てたい
見えなくても声で応援

2022.07.23

あかぎ団の森を育てたい
見えなくても声で応援

群馬のご当地アイドル「あかぎ団」の一期生、加藤さやかさん。歌唱力に定評があり、赤城山南麓にある「あかぎ団の森」を育てるエコ隊長にも任命されている。病気のため視力を失ったのちも、ステージとエコ活動に奮闘する日々。コンサート前に、話しを聞いた。

ニックネームは「さやきー」

「がんばってる?」「楽しんでいこう」、森の中に「さやきー」の明るい声が響く。年3回行われるメンバーとファンのエコ活動。赤城青少年交流の家の北側、0・5㌶の「あかぎ団の森」で、ヒノキとコナラの植林や下草刈り、ゴミ拾いを行う。

「目が見えないので、奥地に入るのは危険。大きな声で応援するのが私の役目です」

スタートは10年前の2012年。「可愛い衣装でステージに立ちたくてアイドルになったのに、ヘルメット着けて、鎌で草を刈るの?」。当初は戸惑いを感じたが、毎回100人を超えるファンが集まり、森を育てるために一生懸命作業をする姿に気持ちを突き動かされた。2016年にはエコ隊長に就任。

「苗木の成長する姿を見るのが愛おしくて」。そんな時、起きたアクシデント。検査で直径8㌢の脳腫瘍が見つかった。視神経が圧迫され、視力をほとんど失った。「手術して腫瘍を取り除いたけれど再発。いまも治療中です」。しかし、さまざまな葛藤を経て、ステージに復帰。エコ隊長を継続することも決めた。

エコ活動は環境に貢献するだけでなく、もっと大きな意味を持つという。「年に3回の活動です。卒業したメンバーも離れてしまったファンも集まれる場にしたい。同窓会みたいな…。ずっと続けていきたいです」

加藤さやか

1988年、高崎市生まれ。2011年、あかぎ団1期生としてデビュー。ニックネームは「さやきー」。あかぎ団は群馬のご当地アイドル。年間約100ステージを行うほか、ぐんま特使、認知症アンバサダーなど群馬を元気にするために活動中