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前橋のお薦めスリバチ
「東日本」版で魅力を紹介
2026.02.02
「スリバチ」ってご存知⁉ 山間部に見られるV字型の谷ではなく、平らな台地をU字にえぐったような窪地がスリバチ。名付け親は前橋市出身で「東京スリバチ学会」会長の皆川典久さん。その皆川さんが編著者を務めた新著「東日本スリバチ地形まち歩き」(1巻、2巻)が出版された。1巻では群馬が取り上げられ、前橋市と高崎市で見られるスリバチを歩いて楽しめるよう案内している。
スリバチ学会の皆川会長が編著
皆川さんは河岸段丘や扇状地、自然堤防や後背湿地など微細な凹凸地形の魅力に取りつかれ、2003年、歩きながら地形を観察して楽しむ「東京スリバチ学会」を設立した。NHKの人気番組「ブラタモリ」に出演するなど、スリバチを全国区に押し上げている。
新著は1、2巻合わせて9都県34地域を掲載している。皆川さんが編著を担当、地元愛に満ちた東日本各地のご当地スリバチ学会の会長たちが地元のスリバチに焦点を当て、住んでいる人ならではの視点でディープな町歩きを提案している。
▲『東日本スリバチ地形まち歩き1』
▲『東日本スリバチ地形まち歩き2』
群馬県は皆川さんの群馬県立前橋高校の同期でもある北関東スリバチ学会グンマー分団長の曾田彰さんが担当した。
前橋は「古利根川と台地の縁(へり)の町」と定義付け、広瀬川など10カ所を写真とともに紹介している。「前橋市中央児童遊園るなぱあく」については、「人工の『スリバチ』地形に囲まれた夢の空間」とPRしている。
▲るなぱあくは夢のスリバチか
高崎は「長野堰が育んだ商都」として、世界かんがい施設遺産に登録されている長野堰用水をはじめ9カ所を取り上げている。
北関東は魅惑の地域
地元・群馬をはじめ北関東エリアについて、皆川さんは「はじめに」の中で、「かつては故郷を『何もない』場所だと思う一人だった。北関東スリバチ学会のおかげで自分も故郷に帰るのが楽しみになったし、『上毛かるた』が伝える伝統的文化をリアルに学ばせていただいている。ライバル県として避けていた栃木や茨城にも、東京圏に劣らない魅力があることを知った。東京から日帰りで楽しめる魅惑の地域が満載の北関東エリアのことを知らないのはもったいないのだ」と絶賛している。
▲編著の皆川さん
▲群馬県を担当した曾田さん
曾田さんは「群馬には東京の山手のようなスリバチ地形はほぼなく、車移動が主となるなかでは、まちの変化や地形の微妙な高低差に気づくことは難しい。まずは自らの足でまちを歩いてみてほしい。歩く速度では今まで見えなかったものが見え、まちの解像度がぐっと上がってきます。足の裏で微地形を感じることで地形との関係性にも気づくと思います。歩くことで、そのまち(前橋)のことを知り、もっと好きになってもらいたい。この本が、そのきっかけになるとうれしいですね」と前橋歩きを呼び掛けている。
『東日本スリバチ地形まち歩き1』 『東日本スリバチ地形まち歩き2』
地域 1(宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、東京山の手)
2(東京下町、多摩武蔵野、千葉、神奈川、静岡、名古屋)
編著者 皆川典久
体裁 A5版、160㌻
定価 2200円(+税)
発行 学芸出版社
販売 各書店


