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群馬県民会館の解体に「待った」 
市民団体が署名活動

2025.06.27

群馬県民会館の解体に「待った」 
市民団体が署名活動

 群馬県が群馬県民会館の廃止・解体を決めたことに対し、市民団体「群馬県民会館ルネサンスの会」(山田哲夫、鈴木創共同代表)が発足、保存と活用を求める署名活動を始めた。建築的価値、税金の合理性、文化の公平性など、さまざまな観点から解体への疑問を投げかけている。

文化拠点の新設は本当に必要か

 「群馬県民会館ルネサンスの会」は、「群馬県民会館の存続を願う会」(山田哲夫代表)と「群馬県民会館を守る会」(鈴木創代表)が音楽家、芸術家、建築家の有志と共に6月、発足させた。県民会館の価値を再認識し、文化資源として未来に生かすことを目指している。

 県民会館は1971年に開館。設計を手がけたのは、最高裁判所を設計した建築家・岡田新一氏。文化的・建築的価値が高く、有形登録文化財への指定も視野に入る。

▲工夫が凝らされたロビー

 県議会は6月、県民会館の廃止議案を可決し、新たな文化拠点の設置を表明したが、ルネサンスの会は「本当に新設が必要なのか」と問いかける。

 新拠点が1000人規模の施設であれば、市内の既存のホールで十分対応可能。2000人規模であっても、県民会館を活用すれば新設よりも税金の節約になると指摘する。

 県は改修に50億円以上かかるとするが、建築専門家からは「必要な範囲に絞れば25億円以下に抑えられる」との提案も出ている。県民会館には大ホールだけでなく、会議室やリハーサル室も備わっており、音楽、演劇、映像、工芸など幅広い用途に対応可能だ。

▲天井までデザインが施されたリハーサル室

 ルネサンスの会は県民会館の保存を求め、署名活動を広げていく。

 「建物をつくっては壊すを繰り返す時代は終わった。貴重な文化財を後世に残したい、と願う方の一人でも多くの署名をお待ちしています」と山田哲夫代表は呼びかける。

 

▲山田哲夫代表

「群馬県民会館は解体せず保存し活用を!」オンライン署名

ホームページ https://chng.it/kpmvry6m6t