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タムラサトルの前橋マシーン 
まえばしガレリアで3月9日まで

2025.02.12

タムラサトルの前橋マシーン 
まえばしガレリアで3月9日まで

 ローテクノロジーでシニカルなユーモアを交えた立体作品を制作する、タムラサトルさんの個展「前橋マシーン」が3月9日まで、まえばしガレリアギャラリー2で開かれている。数字や文字、記号などを形作ったチェーンが延々と動く「マシーンシリーズ」や「接点シリーズ」、「落下傘」が展示されている。

機械仕掛けで動く「前橋」

 入口を入ると、目の前に「前」「橋」という機械仕掛けの文字が動いている。文字の正体は、油まみれのチェーン。

 前橋に縁もゆかりもないタムラさんがこの個展のために制作したものという。

 ほかに火花を出しながらON/ OFFされる「接点シリーズ」、ブックアーティストのヤスシチョウさんとのコラボレーション作品、4色の「落下傘」の展示もある。

▲鉄板に前と橋の文字がレイアウトされた「マシーンシリーズ」

▲接点シリーズ

▲落下傘。吊るされた人形たちの姿にも注目

 一体なにを目的に作られたのだろうかと疑問に思いながら、気付けば無心で作品をじっと鑑賞し続けてしまう。

 「素材・形態がもつであろう意味・設定・目的からも、自由でありたい」と話すタムラさんの術中にはまっているのかもしれない。社会に欠かせない有用な電気を、何も生み出さない、なんの役にも立たない無用なものとして、シニカルなユーモアを交えて作品にするタムラさんの世界を楽しもう。

タムラサトル 前橋マシーン
会期 ~3月9日(日)11時~19時
会場 まえばしガレリア ギャラリー2(前橋市千代田町5-9-1)
休廊日 月、火曜、祝日
入場無料
主催 MAKI Gallery

タムラサトル

1972 年栃木県生まれ。筑波大芸術専門学群総合造形領域を卒業。近年の主な個展に「無目的な機械 AIMLESS MACHINE」DH Neology(台南、2024年)、「Hi, Kumi. Hi, Mike.」さいたま市プラザノース ノースギャラリー(埼玉、2024年)、「1トンになる タムラサトル」栃木市立美術館(栃木、2022年)、「ワニがまわる理由(ワケ)は、聞かないでほしい」MAKI Gallery(東京、2022年)、「ワニがまわる タムラサトル」国立新美術館(東京、2022年)がある他、東京都写真美術館、DIC 川村記念美術館、栃木県立美術館、MoMA PS1をはじめとする美術館でのグループ展にも参加。2017年 International Light Art Award 2017First Prize 受賞、2009 年 第 12 回岡本太郎現代芸術賞展(TARO賞)特別賞、2002年 フィリップ モリス K.K. アートアワード 2002「ザ・ファースト・ムーヴ」特別賞、1999年 KIRIN CONTEMPORARY AWARD 1999 奨励賞など多数の受賞歴がある。