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前橋で「地方創生」考える
衆議院予算委員会が地方公聴会

2025.02.12

前橋で「地方創生」考える
衆議院予算委員会が地方公聴会

 衆議院予算委員会は2月12日、前橋市と高崎市に委員を派遣、前橋では民間主導で整備された馬場川通り周辺を視察した。太陽の会の代表理事を務めるジンズホールディングスCEOの田中仁さんが案内役を務め、シャッター街から劇的に変わりつつある前橋の中心街再生の歴史と課題を説明した。

馬場川通りやホテルを視察

 視察は東京一極集中を是正し楽しいと思える地域づくりを目指す政府の重点施策「地方創生2.0」に関する2025年度予算案審議の参考にするのが目的。
 安住淳委員長(立民)を代表とする委員15人は午前中、馬場川の親水デッキやジンズホールディングスのサテライトオフィスやベンチャー企業が入居する「ばばっかわスクエア」を視察した。

 ラウンジのような洒落たサテライトオフィスでは就業中の社員と懇談、家族で前橋に移住した社員がいることを知り感心していた。

▲馬場川の親水デッキを紹介する田中さん

▲ジンズの社員と懇談する河野太郎氏

 視察後は白井屋ホテルのザ・ラウンジで田中さんの説明を受け、意見交換した。
 田中さんは魅力度、女性の幸福度、都道府県庁所在地の最高路線価が全国最下位だった過去を振り返り、中心街再生のためにビジョンづくりから始め、起業家の発掘・育成、経営者仲間の結集、白井屋ホテルの開業などにあたった10年間を説明。若く意欲的な起業家が育ち、中心街が元気になりつつある現状を報告した。

▲まちづくりに関わった10年を振り返る

企業城下町100選に賛同

 地方都市に共通する課題として、①人口減少②経済の衰退③社会保障費増大とインフラの老朽化-の3点を挙げ、「各都市が歴史、文化、産業を考え、官民でわがまちのまちおこし産業を決める。大企業の部門を地方へ分散すればBCPにも繋がる」と強調。

 予算委員会で木原誠二氏(自民)が提案した「令和版企業城下町100選」に賛同の意を示し、前橋は「糸のまちからITのまちになる」とクリエイティブ産業の集積が進んでいる実態を示した。

 同席した前橋市の小川晶市長は「前橋市は農業も盛んなのでeatの町にもしたい」とPRした。

▲白井屋ホテルのアートも観賞

 意見交換では教育問題に関心が集まり、田中さんは共愛学園が中心街に作る小中一貫制の学校が「個別最適化の学習で世界最先端になる」と展望した。
 安住委員長は「教員免許を持っていなくても公立学校の校長に民間企業の役員がなれるようになれば劇的に変わる。母校出身の商社の人とか。まあ、前橋高校は分からないけど」と笑わせた。

▲意見を述べる櫛渕氏

▲予算委員会の委員に挨拶する小川晶市長

 沼田市出身の櫛渕万理氏(れいわ)も参加、「前橋は新しい発想でまちが動いてるなと感じた。これを群馬県全体に広げたいですね」と話していた。
 午後は高崎市内で地方公聴会が開かれた。山本一太知事と清水正義太田市長、多田義洋館林市長、黒岩信忠草津町長の4人が意見陳述し、「年収103万円の壁」の見直しによる自治体税収に対する減少対策や給食費無償化対策を要望した。