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216本のけやきも1本から 
前橋けやき並木イルミネーション

2024.12.03

216本のけやきも1本から 
前橋けやき並木イルミネーション

 JR前橋駅北口ロータリー内に1本たたずむケヤキが、12月7日から来年2月末までイルミネーションで輝く。初日7日18時から、点灯のセレモニーが行われる。行政や商工会、観光協会などの主導ではなく、一市民、砂賀裕一さんの「明日への希望の光にしたい」という純粋な志のもと、昨年から始められた。準備を進める砂賀さんに話を聞いた。(取材/柁原妙子リポーター)

人生の暗闇に灯った光

 前橋けやき並木イルミネーションという名称だが、点灯するのは駅前ロータリーの1本のみ。初日7日には点灯式を行う。

 「多くの人、特に子供たちが楽しみにしているクリスマスシーズンに、皆んなの力を合わせて駅前から県庁まで216本あるケヤキにイルミネーションで光を灯し、いつか日本一と呼ばれるようなものにするのが私のやりたいこと。活動に賛同する個人や企業、行政、関係機関などと共に成し遂げたい。今の身の丈に合ったこの1本がはじめの一歩」と砂賀さん。

 費用の概算は、並木の216本すべてで約2億5千万円。それを半永続的に行えるよう、実行委員会を結成し、毎月行う会議で策を練っている。委員は昨年の13人から今年は20人に増えた。

▲昨年の点灯式

 福祉事業施設を経営する砂賀さんには、13年前に起業するときから、事業のほかに身の丈で世の中に貢献できる何かをするという信念があった。

 なぜイルミネーションだったのか。「人生のどん底にあったとき、深夜、一軒の玄関先に灯っていた小さなイルミネーションに心を打たれ、救われた思いがした。今度は私が誰かの希望の光になりたい」と話す。

 起業1年目から11年間、毎年少しずつ飾りを増やしながら、自身の営む福祉事業施設を輝かせてきた。点灯式では手弁当で飲食を提供して、社員やその家族、地域住民ら300人近くが毎年集ったという。「老若男女、皆んなが幸せなひとときを過ごす光景を見ることが、私自身の幸せでもありました」

 

▲感謝を口にする砂賀さん

ただ純粋に、世の中のために

 昨年、「私の夢は自分の事業所をキラキラさせることではなく、皆んなの力で世の中を照らすこと」と初心に帰り、イルミネーションの場所を駅前に移した。

 一人ひとりの力は小さくても、手を取り合えば大きなことが成し遂げられると信じ、覚悟を決めた。高所の取り付けは業者に依頼、下回りは実行委員で行った。

 どう進めるかは話し合いで決めるが、「私としてはまずは一気に駅前から五叉路までやりたい」。その本数は84本、1本に電飾と作業料で100万円かかる。「大きなお金を扱うので、しっかりとした地盤と仕組みを作りたい」と現実を見据えながら、真っ直ぐに夢を語った。

▲夜の駅前を彩るケヤキ。昨年の様子

▲点灯式に向けて準備が進む

▲前橋駅を見守るような大ケヤキ

前橋けやき並木イルミネーション点灯式
日時:12月7日(土)18時~
場所:JR前橋駅北口ロータリー内
※イルミネーション点灯後にサンタが登場して、子供たちにお菓子を配る。