watch

見たい

前橋生まれの「火の鳥」
ウズベキスタンの美術展で奨励賞に

2024.10.23

前橋生まれの「火の鳥」
ウズベキスタンの美術展で奨励賞に

 ウズベキスタンの首都タシケントで開かれた美術展「X TASHKENT INTERNATIONAL BIENNALE OF CONTEMPORARY ART」で、前橋市在住の写真家、長瀬正太さんの作品「火の鳥」が奨励賞を受賞した。火の鳥は、カメラを振りながら打ち上げ花火を撮影し、夜空を飛ぶ鳥を表現した作品。長瀬さんは2015年の前橋花火大会でその撮影方法を生み出し、約10年間取り組み続けてきた。
(取材/阿部奈穂子)

これは写真なのか、驚きの声

 タシケントでの美術展はウズベキスタン人アーティストと40カ国の外国人アーティスト約100人が選ばれ、120点以上の美術作品を展示して開かれた。

 長瀬さんが出展した火の鳥作品は5点。観客からは「これは写真なのか?」という質問を何度も受けた。その度に「カメラを筆として使い、花火を絵の具として考えて写している」「すべて1回のシャッターで撮影している」と伝えると、感嘆の声を上げたという。

 「嬉しかったのは、見て下さる方がそれぞれの想像力で、私の写真から思い思いの世界を広げてくれたこと」と長瀬さんは話す。

▲展示された火の鳥

 クロージングセレモニー(閉会式)には、前橋花火大会の花火制作や打ち上げを行っている「上州花火工房」から借りた半被を着て参加した。クオリティの高い作品が数多く並ぶなか、Incentive prize(奨励賞)に輝いた。

 「本当に驚き、同時に光栄に感じました。 一神教であり偶像崇拝を禁じるイスラーム教の国、ウズベキスタンで、私の火の鳥写真が受け入れられたという実感を得た瞬間でもあり、さらに様々な国々で全く異なる文化圏の方々に観ていただきたいという思いが灯った瞬間でした」と振り返る。

 作品は在ウズベキスタン日本国大使館に寄贈した。

 

▲「半被のお陰か、4件のテレビ局から取材を受けました」と長瀬さん