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太宰治原作の『未帰還の友へ』
没後75周年で初の映画化

2023.12.14

太宰治原作の『未帰還の友へ』
没後75周年で初の映画化

太宰治の短編小説『未帰還の友へ』を原作とした同名映画が完成、12月15日からアップリンク吉祥寺を皮切りに全国で公開される。没後75年を記念して初めて映画化された。太宰の作品としては珍しく直接的に反戦をテーマにしている。主演は窪塚俊介、監督は『女生徒・1936』の福間雄三。前橋文学館の萩原朔美館長が井伏鱒二役で出演、前橋シネマハウスでは1月20日から上映される。

萩原朔美さんが井伏鱒二役で出演

『未帰還の友へ』は太宰を思わせる小説家の「先生」が出征したまま復員しない特別な友情を感じていた教え子の身を思いながら過去を回想する物語。戦時下で一変する生活、若い男女のはかない恋を描いている。

▲特別な友情を感じていた太宰(左)と出征する若者

▲はかなく消える若者の恋

萩原さんは太宰の師であり、友であった文豪、井伏を演じる。太宰が井伏の家を訪ね、将棋を指しながら世間話をしたり、相談を受ける場面に登場する。

1970年代に寺山修司監督の『書を捨てよ町へ出よう』、田中登監督の『(秘)色情めす市場』で映画に出演したが、演出や雑誌編集に主な活動の場を移した。2022年、実母の萩原葉子さん原作の『天上の花』で久しぶりに銀幕の舞台に戻った。

▲『天上の花』で共演した東出昌大さん(右)と対談する萩原朔美さん

「『天上の花』はセリフがたった一言だったけど、今回はちゃんと会話しています。楽しかった。人生の後半戦は役者で行くと宣言し、まあ、あまり売れていませんが、77歳、自由にやります」と久しぶりの映画出演を満喫した様子だった。

1月20日から前橋シネマハウスで上映

前橋シネマハウスでは1月20日から2月2日まで、1日2回上映する。初日は福間監督と映画に出演したまえばし市民ミュージカルの佐々木英子さん、堀口聡さんがトークイベントを開く。2人はエキストラとして出演、佐々木さんは舞台衣装の製作も手掛けた。

1月27日は萩原さんと福間監督が対談する。時間はいずれも初回上映後、11時20分ごろから。

『未帰還の友へ』前橋シネマハウス上映

お問合せはこちら
027-212-9127
・会期 1月20日(土)~2月2日(金)
・時間 ①10時~②16時10分~
・休館 火曜