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【貴方を薔薇に会わせたい・秋▶1】
秋のバラと空の月

2023.10.31

【貴方を薔薇に会わせたい・秋▶1】
秋のバラと空の月

「秋のバラフェスタ2023」が敷島公園門倉テクノばら園で11月5日まで開かれています。春に比べて小ぶりになる秋のバラ。でも、色彩は鮮やかになります。バラの香りで優しさに包まれませんか。(文章/青山美奈子さん)

返り咲きするチャイナローズ

みなさん秋バラを楽しんでいますでしょうか?え?バラって春だけじゃないの?ってよく聞かれますが、四季咲きや返り咲きするバラもあるんですよ。

野生種で返り咲きするバラは珍しく、その珍しいバラの代表がチャイナローズ、中国産のバラです。

1790年代から1800年代初頭にかけオリエンタルブームがおき、お茶や陶磁器、絹、絨毯などの人気の中にチャイナローズもヨーロッパやアメリカに持ち込まれました。小ぶりで香りも弱いのですが、何度も返り咲く事で人気となり、その後、オールドローズとの交配を得てたくさんの花を咲かせるノワゼットローズ系統や繰り返し何度も咲くティーローズの確立に繋がったと言われています。

チャイナローズにはうつむいて咲く繊細なフンショウロウ(粉粧楼)やパリの街角で売られ人気となった愛らしいボンボンドュパリが私の大のお気に入りです。

▲フンショウロウ(粉粧楼)

▲シングル・ピンク

▲ツダンホンシン(赤旦紅心)

ところで中国といえば陶磁器も中国で初めて作られたんですよね。13世紀ごろジャカルタを拠点にしていたあの有名な「東インド会社」というオランダの貿易会社を経由して、ヨーロッパに伝わり、王族や貴族たちに大人気となり、中国の陶磁器を持っていることが、上流階級のステータスとなっていたと言われています。

その後、イギリスのボーンチャイナやドイツのマイセン、フランスのリモージュとバラの絵柄の素敵な陶器が次々と開発され生産されてきましたが、我が家では中国由来の伊万里焼が多いか。綺麗な色彩が目に留まりついつい衝動買いをさせられる魅惑の陶器。まるで秋バラの華やかさに似ているその姿、そう、秋バラは小ぶりになりますが、その分、色彩が鮮やかになるんです。

秋の空とともに、鮮明にね。

四季ごとにバラ園を訪れて、季節の差異を楽しむのもおすすめです。

▲ヒュームズ・フラッシュ・ティー・センティッド・チャイナ

▲ロサ・キネンシス

▲プタオホン

あおやま・みなこ

ばら愛好歴28年。敷島公園観光連盟会長。敷島公園門倉テクノばら園・ばら園まつり実行委員長。学生キャリアサポートを通して若い人たちにもバラの魅力と歴史的意義を受け継ぐ活動にあたっている。

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陽が落ちるのが早くなる秋は空のグラデーションがとても綺麗で好きです。夕日のピンクがきらめく淡い藤色など青とは言い切れない…