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めぶくID こう活用したら
慶應大、前橋国際大生が合宿

2025.02.02

めぶくID こう活用したら
慶應大、前橋国際大生が合宿

 前橋発のデジタル個人認証「めぶくID」を活用した新しいビジネスモデルを考える-。こんな命題を受け、慶応大総合政策学部の國領二郎研究室の学生が2月1、2の2日間、前橋市で合宿した。國領教授がめぶくIDの開発に深くかかわり、共愛学園前橋国際大に2025年4月に新設されるサイバー文明研究センターのセンター長となる縁から前橋国際大の学生も参加、2大学の45人が協力してアイデアをまとめた。

ガレリア、馬場川通りを視察

 初日は國領教授がめぶくIDについて解説、地域課題を解決する持続可能なビジネスモデルを作成するよう指示した。
 学生は前橋まちなかエージェンシー代表理事、橋本薫さんの案内で民間主導の再開発が進む中心街を視察、ギャラリー、フランス料理店と住宅が合体したまえばしガレリアやアーツ前橋、馬場川通りなどを歩いて回った。ガレリアや市内のホテルに泊まり込み、週末の夜の中心街の実態も調査、ほとんど徹夜でビジネスモデル作りに励んだ。

▲ガレリアを視察する慶応大、前橋国際大の学生

▲中央通りを歩きながら調査する学生

送迎サービス、めぶくPay活用

 最終日は6グループに分かれて、それぞれのビジネスプランをプレゼンし、実現性を質問したり、問題点を指摘したりしてプランをブラッシュアップさせた。
 車に過度に依存する前橋の実態を受け、3グループが交通問題を取り上げた。
 女性が安心して代行車に乗れるよう運転者の性別を選択できるアプリや高齢者を若者が送迎したり、マイカーの乗り合いで渋滞を解消するプランが発表された。

▲女性専用の代行車サービスを提案するグループ

▲ビジネス部「ロマン」を求めたプレゼン

▲実現性を問う厳しい質問も飛ぶ

 市民の5%の利用にとどまっているめぶくPayの利用拡大をめぐっては、「何が足らないか、それはロマン」と指摘。利用するたびに付与されるポイントを投資や寄付に回すことで、市民の10%が利用するとの予測を示した。
 合宿の幹事を務めた慶応大4年の大井沙羅さんは「初めて前橋に来ましたが人間のつながりの深さを感じた。前橋で暮らす前橋国際大の学生の生の声を聞き、理想的かつ現実的なビジネスプランを作ることができました」と喜んでいた。

▲合同合宿の成果を喜ぶ慶応大の大井さん

前橋発のモデルを世界に

 國領教授は「授業でよく前橋の話をしていたせいか、学生が前橋での合宿を希望した。前橋の課題は全国的な課題。前橋をモデルに落とし込んだビジネスプランを全国、世界に発信できるようにしてほしい」と注文した。

▲「世界に通用するモデルを」と命題を出す國領教授

▲自ら質問や感想を述べる大森学長

 前橋国際大の大森昭生学長は2日とも合宿を視察、「都会の大学と地方の大学、互いの得意なフィジカルやカルチャーがコラボすることで面白い化学反応が起きる」と合同合宿の成果に期待した。