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聞きたい

【聞きたい飯塚花笑監督3▶︎】群馬から世界に映画を発信

2022.05.22

【聞きたい飯塚花笑監督3▶︎】群馬から世界に映画を発信

映画は東京でなければ作れない。それは思い込みだった。飯塚花笑監督は故郷の群馬県内で製作会社を起業、商業映画を作った。視線の先には世界がある。

東京でなくても映画は作れる

―自身初の劇場公開映画となった『フタリノセカイ』は製作委員会ができました。

「助かりましたね。製作費をいただけましたので。エネルギーを集中して、初めて監督業に携われた感じです。それまではアルバイトをしたり、自分で営業したり、あるいはクラウドファンディングで資金を集めていた。大変でした。もうこの方法ではやらないぞと思うのだけど、それでも映画を作りたくなる。不思議なものです」

―『世界は僕らに気づかない』も同じですか。

「今回はプロデューサー兼監督でした。僕自身、初めてプロデューサーとして協賛集めをした。自分の中で2人の人間が戦うことになった。監督としての自分はいくらでも時間とお金をかけて『この表現を実現する』と求め、プロデューサーとしての自分は限られた予算の中での製作を求めるわけ。すごく葛藤したけど、いい経験にはなりましたね」

―都内で6年間、映画の仕事に就き、一昨年、帰郷した。

「時間に追われ、心が疲弊するサイクルから抜け出したかった。東京でないと映画を作れないと思い込んでいたけど、そんなことはなかった。役者さんもスタッフも製作会社もみんな東京だけど、群馬ってアクセスがいいので、みんな呼び寄せられる。ロケにもよく使われますしね。6年間働き、人脈もできたので戻ってきた。群馬の中で映画製作が完結できる環境を自分で作ろうと考えた」。

製作環境整え、人材を育成

2020年に制作会社を立ち上げました。

「『世界は僕らに―』はこの会社がプロダクトして制作した。地方の製作会社が商業映画を製作した、極めてまれな事例となった。自分の夢は群馬で撮影環境を充実させ、人材育成にあたり、世界で勝てる作品を群馬から発信すること。『世界は僕らに―』はその第一歩。全編群馬で撮影し、キャストも演技経験のない群馬県民に出てもらった。映画を世界に広めていきたい」

いいづか・かしょう

19901月、前橋市生まれ。木瀬中-高崎経済大附属高-東北芸術工科大デザイン工学部映像学科卒。『僕らの未来』は、ぴあフィルムフェスティバルで審査員特別賞を受賞、海外からも高い評価を得た。今年1月、初の劇場公開映画となる『フタリノセカイ』を公開した。東京と群馬の2拠点で映画製作にあたっている。