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前橋モデルを全国へ発信
企業城下町フォーラムに260人

2025.10.31

前橋モデルを全国へ発信
企業城下町フォーラムに260人

 企業が核となる新しいまちづくりを推進する第2回「政民官でつくる『新しい企業城下町』躍進フォーラム」が10月31日、前橋市内で開かれ、国会議員、中央省庁や自治体の幹部、企業経営者ら260人が全国から集まった。声掛け人の一人であるジンズホールディングスCEO、田中仁さんは「前橋から新しい地域創生モデルを作り、日本全国、地域が元気になればいい」と強調、前橋で進む民間主導のまちづくりを令和版企業城下町のロールモデルとしたい考えを示した。

志、情熱、資本が必要

 田中さんは衆院議員で声掛け人の木原誠二さんとのオープニングセッションに臨み、なぜいま企業城下町が必要なのか、前橋市の事例を参考にしながら分かりやすく語りかけた。

▲イノベーターは前橋のDNAと話す田中さん

 自身が代表を務める太陽の会が中心となって取り組んでいる前橋のまちづくりについて、「歴史ある商店街に新しい価値を加えることで深みのあるまちにしたい。仲間が身銭を切って参加する機運がいまある」と説明した。成功の要因として「志、情熱、資本の3つが必要」と指摘、「民間が行う公共に資する活動には国のお金が直接入るダイナミズムがあっていい」と提案した。

▲企業城下町100カ所に情熱を燃やす木原さん

 これに対して、木原さんは「東京からの財源や権限の移譲、霞が関の分散では地域は元気にならない。地域はみんなの力で元気にしていかざるをえない。田中さんが前橋でやっているようなことを全国で100カ所作るのがこのフォーラムの目的」と訴え、参加した企業経営者に立ち上がる勇気を求めた。

 企業に求められることとして、単に利潤追求だけでなく地域貢献が重要であることで意見が一致した。

 田中さんは「前橋があれだけ頑張っているんだったら、俺たちも何とかしようよ、という地域が絶対出てくる。ロールモデルが必要で、それを前橋で作ってみたい」と言葉に力を込めた。

▲県外の企業家も登壇した

 続いて、2つのセッションがあり、地方で企業城下町づくりに挑戦している経営者や中央省庁の幹部が最新事例を発表した。

 フォーラムは石破茂前首相も参加、プレイベントとして講演して「前橋が全国から注目されるようになった」と地方創生の優等生と評価した。

▲馬場川の遊歩道を視察する参加者

▲太陽の鐘の前で

 参加者の視察ツアーも行われ、木原さんはじめ60人が田中さんの案内でアーツ前橋、まえばしガレリア、太陽の鐘などを見て回った。

 フォーラムは企業城下町の可能性を探るため、政・民・官のリーダーが集まり、今年4月に都内で第1回を開いた。