―「HUMAN MADE(ヒューマンメイド)」で現在、手掛けていることはありますか。
「来年のこととか、仕掛けているのは結構あります。でも、基本的に数日前までは情報を公開はしないです。やっていることはたくさんあります。
いまの時代、情報過多なので、1週間前でも情報を落とすと忘れられてしまいます。極端な話、ヒューマンメイドの店舗の移転の告知は当日にしました」
―ヒューマンメイドのこれからの方向性を教えてください。
「これからどうしていくか。いままではワンマンでやってきたのですが、そうではなくて、チームプレーで、パスを回しながらやっていくことを心掛けています。
自分はキャプテンや監督ではなく、1プレーヤーとしてやる。そういう会社、ブランドになれれば、これから10年、20年、もっともっと面白くやっていける気がしています」
―前橋市の中心街が少しずつ変わってきています。どんな街になってほしいですか。
「まずは人が集まる、昔のような街になってほしい。アーケードに人がいっぱいで、自転車を降りて押さなければ通れないのが日常でした。
『未来は過去にある』というか。なくなっていくもの、人のコミュニケーションとか、商店街に店があって、面白いものがあって。そういう街が最近できつつあると、ジンズの田中(仁)さんからお話を伺っています。
ある意味、時代に逆行している街だと思います。それが強みになると思います。そういう街になってほしい。戻ってほしいですね。オンラインが中心になってしまい、そこにはコミュニケーションはありません。人に会って目を見て話をする、そういう街がいいですね」
―ブルーボトルコーヒーもできました。にぎわっていますよ。
「すごいですね。前橋にブルボを出店する決断を下せるのが素晴らしい。地域に密着してやっていこうという姿勢がいま最も大切なことだと思います」
―NIGO®さんのようなクリエイターにあこがれる前橋の後輩にアドバイスをください。
「興味のあることを深掘りした方がいいですね。ネットで検索してもいいけど、そこから一歩踏み出すことが大切。『ここいいな』と行った気にならないで、実際に行ってみること。もうひと手間かけることがいまの時代で求められている。
服も実際に手に取ってみれば裏側がどうなっているか分かりますが、写真では分かりません。リアルな体験はとても重要です」
新たに「HUMANMADE」 NIGO®
1970年12月、前橋市生まれ。文化服装学院在学中にDJ、ライターとして活躍、1993年、桐生市出身の高橋盾と原宿に「NOWHERE」を開いた。自身で立ち上げたブランド「ア・ベイシング・エイプ」は裏原宿系ストリートファッションとして世界で大ヒット。エイプ売却後はフリーとなり、「HUMAN MADE」を立ち上げる。サイバーエージェントやアディダス、JINSのサングラス部門のクリエイティブ・ディレクターも手掛け、「ルイ・ヴィトン」からコレクションも発表。ルイ・ヴィトングループの「KENZO」のアーティスティック・ディレクターに就任した。
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