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そば処 京金
宝物は天丼用のタレの甕

2025.07.22

蕎麦、うどんは江戸風

 東京・深川森下にある1831(天保2)年創業の老舗から暖簾分けされて半世紀近く。「宝物」があります。暖簾分けの際に贈られた天丼用のタレを継ぎ足してきた甕(かめ)です。

 常連さんらしきお客さんは席に着くやいなや、「天丼そば定食」「天丼、温かいうどんにして」と注文します。では、こちらもお願いしましょう。「天丼定食をもりうどんでお願いします」

 前回、蕎麦をいただいたので今回はうどんに。平打ちがかった細切りの蕎麦は風味豊かで喉越しの良い江戸蕎麦でした。さて、うどんは…。

▲北海道産の農場も明記した玄ソバを使った気品ある蕎麦

 ほどなく、注文の品が置かれました。蕎麦やうどんが汁替りと思っていたら、味噌汁も付いてきます。これはありがたい。麺食いを専念できます。

 うどんも江戸風でしょうか。白くて細切り。上州の田舎うどんとは別種です。喉越しよく、さっぱりといただけます。薬味にはウズラの卵も。半人前のセイロでしたが、結構量もありますね。

▲▼細切りでつるつるしたうどんです

上州風に汁、タレを改良

▲色、香りからゴマ油も加えているようです

 うどんを平らげたら天丼に。エビ、キス、ナス、ピーマンの4種入りです。

 まずはエビでしょう。立派な大きさです。蕎麦屋さん特有の天ぷらですね。背中側に衣が多めに付いています。タレが染みた衣もネタになります。

▲見事なエビの姿

 タレはやや甘め。蕎麦汁もそう。御年82歳の店主、手島迪(おさむ)さんの話では、修業先と同じ江戸蕎麦の濃口だったのをお客さんの要望に合わせて改良したそうです。

 個人的にはそれでもすっきりして好みの味。タレの量もちょうどよく、美味しく完食しました。

 厨房で手島さんが腰を丸めて頑張り、2代目の和敏さんやスタッフが笑顔で支えています。美味しさの隠し味かもしれませんね。

▲屋号を付けた「京金そば定食」。とろろ付き

店舗情報

そば処 京金

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027-265-3167
住所 前橋市亀里町408-1
営業時間 11時~14時
定休日 日曜、祝日