料理 かない
厚切りの仕事した寿司

　昼は海鮮を中心とした定食、夜は刺身や焼魚、馬刺しなどの一品物で一杯楽しめる居酒屋さんです。

　ランチは９種類。1番最初にある、にぎり寿司にしました。元は寿司屋さんでしたからね。

　2代目の斉藤厚さんがサクからネタを切り分け、素早く握っていきます。寿司は切りたてが命。ランチといえども手を抜くことはしません。

　寿司は８貫。具だくさんの味噌汁とたっぷりのサラダ、小鉢、香の物が付きます。

　マグロからいきましょう。さっぱりしたメバチの赤身。厚く切られ、表面に切り込みが入っています。醤油の乗りがよくなるための工夫でしょう。

　白身はハタでした。「身が締まって弾力がありますよ」と２代目。淡白な味で、ほんのり甘みを感じます。高級魚なのに、これも厚く切られています。

　ショウガがポツンと置かれた旬のアジ。サーモンもこれまた肉厚です。甘みがすごい。

　スルメイカは隠し包丁が入れられ、タコと玉子は帯海苔で巻く。しっかり仕事していますね。

　食べ終わるころ、2代目が奥の厨房から焼きたての玉子焼きをつけ場に持って来て切り分けました。後から来た女性客が注文したバラチラシ用です。

　「美味しそうだな」とじっと見ていたら、「ちょっと味見してみますか」と２切れ切ってくれました。甘さ控えめで出汁の香りが感じられます。

　バラチラシは均一の大きさに角切りしたマグロや魚を混ぜ込み、すし飯に盛り込みます。彩りよく、華やかな見栄え。次はこれにしよう。

　会計を済ませて玄関に向かうと、先代が見送りに来てくれました。家族経営のほのぼのした雰囲気も味の内ですね。