京料理の職人による焼きそば
大和茶屋

学校の前に必ずあった焼きそば屋さん。すっかり見なくなりましたね。専門店は前橋市内に数店舗でしょうか。無性に食べたくなる時があります。

割と近所ながら、こちらは初めての入店です。焼きそばは小盛から大皿盛まで５段階。１㌘＝１円だとか。ということは小盛が350㌘、大皿盛は何と１㌔。お腹に合わせて注文しましょう。

「これ食べて」。最初にお通しが来ました。野菜と豆腐の入った澄まし汁。あれっ。何だかすごく美味しいぞ。これは期待が膨らみます。

せっかくですので、お薦めの焼きそば定食をいただきます。焼きそば小盛に単品で700円の牛すじ丼と味噌汁が付いたお得なセットです。

まずは焼きそばから。細めのストレート麺。前橋の焼きそばといえば伝説の「あくざわ」に代表されるように硬めで濃い味が主流ですが、こちらは柔らかめで薄味。上品な味わいです。具はキャベツのみ。このシンプルさ、普通な感じがいいな。

驚いたのは牛スジ丼。甘っとろく煮た大阪風を想像していましたが、まったく違う。薄味なのに臭みはなく、牛スジの旨味を味わえます。ご飯も旨い。お通しのレベルといい、想像以上でした。

食後にご主人、奈良美治さん（73）に話を伺いました。「京都で魚と遊んでいた」という京料理の元職人。30年近く前、故郷に戻り、和食の店を営んでいましたが、大病を患い、焼きそば中心にしました。ご自愛いただき、末永く暖簾を守ってください。