麺や 和（なごみ）
暑い夏に熱い塩ラーメン

　丸鶏、豚骨と魚介系を合わせたスープに大量の背脂が加わるチャッチャ系の人気店に夏の風物詩を味わいにやってきました。その名も「夏塩」。冷製ではありません。それでも、夏にぴったりです。

　万能ネギとシソとワカメ、しゃぶしゃぶした豚バラと粗みじんのタマネギ、大量のトマトと梅干し。緑、白、赤の配色はマルゲリータのよう。「イタリアトリコロールからヒントを得ました。女性にうちのラーメンを食べていただきたくて」とオーナーの白根清さん。確かにおしゃれなラーメンですね。

　スープは出汁の効いたさっぱり味。これに梅干しが溶け出すとさらに爽快感が増します。麺はストレートの中細。硬めに茹でられ、歯応えが快感です。

　具材は地場の良質のものを使っているそうです。豚肉は香りの強いシソと合わせると旨味を一層感じます。酸味と甘みのバランスの取れたトマト。タマネギのシャキシャキ感もいい仕事しています。

　でも、何といっても主役は梅干し。最高級の南高梅は果肉が柔らか。酸っぱさだけでなく、フルーティーな香りと甘味が際立ちます。これは食が進みます。

　メニューに凄いのを見つけちゃいました。「背脂丼」。説明には「究極のジャンク丼」とあります。良質な県産豚のA脂をニンニク醤油で味付けしています。

　「きょうはさっぱりいこうよ」。「これを食べなかったら後悔するぜ」。天使と悪魔がささやき合います。天使さん、ごめん。悪魔に心を売りました。

　あー、旨い。まったくしつこくない。脂が甘い。梅干しを少し混ぜると、箸が止まりません。最後は雑炊に。もう、最高でした。

　白根さんは浅草の名店・弁慶で８年間、店長を務めた達人です。縁あって前橋で店を開いて19年目。これからも美味しいラーメンを楽しみにしています。