パティスリー アン　
フランスの味そのままに

1990年代に流行したカヌレが、昨年あたりから再びブームになっています。いろいろ食べ歩き、こちらのお店のカヌレに出会って、衝撃を受けました。外側がこれでもかというほど硬い。そして内側は柔らか。この対比がたまらないのです。

「フランスの伝統製法でつくります。外側の硬さは、型の内側にしっかり蜜蝋を塗るため。手間は一切省きません」とオーナーパティシエの松尾明恵さん。

フランス・ボルドー地方のカヌレ協会認定証「ディプロム　デュ　コルドン」を持つ、国内では数少ないパティシエさんです。

タルトポンムにも夢中です。厚さ１㌢ほどのパイ生地の上に、薄切りのリンゴが乗ったケーキ。アップルパイとタルトの中間という感じです。

リンゴを柔らかく煮る日本のアップルパイとは違い、シャキシャキとした食感がしっかり残っています。それと、まろやかなアーモンドクリームの組み合わせが最高。

リンゴのほか季節によって、ポワール（洋ナシ）、アブリコ（あんず）、フィグ（イチヂク）のタルトも登場するそう。

初めてこちらの店を訪れたとき、ショーケースに並ぶ鮮やかなケーキを見てびっくり。色もフォルムも洗練されています。

オーナーパティシエの松尾さんは製菓の学校を卒業後、フランス人が経営する都内のパティスリーで働き、1999年から2016年の17年間、本場フランス・パリに渡って腕を磨いた本場仕込み。「自分が美味しいと思ったパティスリー７軒を回って修行してきました」と言います。

2019年、前橋の東部バイパス沿いにパティスリー アンを開店。フランス菓子の“いま”と“伝統”を居ながらにして味わえます。