食堂 喫茶 おりはら
御年90歳、元競輪選手の食堂

屋号が消えかかった使い古しの暖簾をくぐると、そこは昭和の世界。10月で御年90歳になる店主、折原富造さんが出迎えてくれます。

メニューはカウンターの上に掲げられています。カレーライスに100円プラスでカツカレー。決まりでしょう。相方はワンコインの魚定食にしました。

注文を受けてからパン粉を付け、揚げていきます。カレーを小鍋で温め、ご飯の上にカツとカレーをかけて出来上がり。目玉焼きも付いてきました。

黄色いカレーはジャガイモやニンジン、タマネギと野菜がゴロゴロ。豚肉もたっぷりです。少し甘めで、ほっとする懐かしい味。カツがなくてもソースをかけたくなる衝動にかられます。

ちなみに、目玉焼きを載せた部分は醤油をかけましたが、何か？

カツは本当に100円でいいのという大きさ。脂の美味しいロースです。しかし、ソースカツを発明した人は天才ですね。国民栄誉賞をあげたいな。

魚定食はサバの文化干しでした。こちらにも目玉焼きが付いてきます。「ご飯は少なめに」とお願いしたのに丼飯８分目。頑張って完食しました。

折原さんは元競輪選手。店は料理好きの奥さんが始め、引退後は手伝ってきました。30年近く前、奥さんに先立たれてからは１人で切り盛りしています。

「若いころに鍛えて体が丈夫だからできる。朝は40年間、交通指導員をしている」とお達者な折原さん。いつまでもこの店を、この味を守ってください。