蕎麦処 芳の
布海苔つなぎのなめらか蕎麦

高山村でそばを栽培し、週末に蕎麦屋さんを開く高栁克巳さんのそば粉を使った店が前橋市にできたと聞き、駆けつけました。

お品書きを見ますと、二人前を五合、四人前を一升とあります。どこかで見たなと思ったら、やはりそう。店主の森田芳子さんは高崎市にある梅の花筑縄店で店長をされていたそうです。

２人で五合と季節の天ぷらをいただきました。

天ぷらは山菜の盛り合わせ。コゴミ、フキノトウ、ウド、コシアブラにタマネギと行者ニンニクのかき揚げ。コシアブラは天然物とか。塩を付けて。苦みが春を感じさせますね。

蕎麦は一口大に丸めた戸隠蕎麦のボッチ盛りです。茹で前で200㌘あり、一人前８ボッチと大盛り。これはうれしい。

細めの蕎麦にかすかな星を見つけました。風味と色合いを加えるため、石臼で挽いた更科に近い上品なそば粉に甘皮を入れてもらうそうです。

瑞々しい蕎麦は喉越しよく、コシも強い。高栁さんの蕎麦は十割ですが、こちらは布海苔をつなぎに使っています。「ぬめっこい」感じがいいですね。

汁はカエシの角が取れ、まろやかで優しい感じ。たっぷりつけて啜りましょう。かき揚げを浸して一緒に食べてもいいですね。

念願の店は昨年10月に開店しました。「お世話になった店の作り方を基本に高栁さんの粉を使い、自分の好みの蕎麦に仕上げました」と森田さん。手作りのデザートも蕎麦湯入りの寒天。随所に細やかな心配りが感じられます。