手打そば かばや
蕎麦屋の天ぷらここにあり

古民家風の趣のある建物。白地に黒く「かばや」と染められた粋な暖簾が風に舞っています。

「ここの天ぷらこそ蕎麦屋の天ぷらだよ」と蕎麦通に教わり、天ざるをお願いしました。さて、どんな天ぷらか。楽しみだな。

蕎麦と一緒に来ました。大きなエビが２尾。野菜はナスとピーマンがあります。

まずは蕎麦から。黒い海苔が山のようにかかっています。こんな量、見たことない。海苔をかき分け、蕎麦を引き出しました。平打ちで色黒の田舎風。コシが強く、噛み応えがあります。

汁はさほど濃くなく、蕎麦をたっぷり付けて啜れます。海苔から磯の香り。ネギやワサビもたっぷり。野趣あふれる、好きなタイプです。

さて、お目当ての天ぷらはというと、表面の衣が薄く、裏が厚くなっています。揚げる途中で衣を加え、汁が染み込みやすいように仕上げています。

上品にそのまま食べるより、蕎麦と一緒にいただく方がいいかも。熱い種物の天ぷらそばの方がより合うかもしれませんね。

蕎麦は赤城南麓産を二八で打ちます。修業を経て30歳で独立、40年目を迎えた店主、椛沢理男さんは「いい蕎麦粉、いい天ぷらネタを使えば腕が悪くても旨くできるんさ」と笑わせます。油も頻繁に変えるから、胃もたれしません。

椛沢さんが体調を崩し、しばらく休業していた時期がありましたが、元気に復活しました。奥さんと店員さん、元気で愛想のいい２人の女性に囲まれ暖簾を守っています。