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学びたい
調剤薬局の看板を下ろして
老舗薬局が目指す次のかたち
2026.08.24
平和町の井上薬局は昨年、調剤薬局の看板を下ろし、店名を「くらしの処方箋まえばし赤城」と変えた。調剤する場所から、健康を考え、学び、相談する場へ。創業107年を迎える歴史ある薬局が、新たに始める挑戦を追った。
(取材/柁原妙子リポーター)
気軽に相談できる場を創造
店内に入ると、左奥の大きなモニターが目を引く。窓際のカウンターにはノートパソコンが置かれている。
今年6月から、地域住民向けの健康セミナーを月1回開いている。30分から1時間ほどで、身近な健康テーマを取り上げ、参加は無料。
8月27日のテーマは「夏のお肌のダメージケア」。紫外線対策や正しいスキンケアのコツを紹介する。
9月24日はフレイル予防とセルフチェックで「いつまでも元気に!」。健康寿命を延ばすために知っておきたい筋力維持の重要性や、無理なくできる予防法を学べる。
▲大きなモニターが置かれた店内
講師を務めるのは、井上薬局をルーツとする会社「折り鶴」の4代目、大島英晃さんら。「薬剤師として、処方箋や薬を介することのほかにも、もっと地域の健康に関われることを増やしていきたい」と大島さんは話す。
折り鶴は市内で調剤薬局6店を展開し、全職員は47人。
グループには管理栄養士を3人配置しており、つい最近大型モニターを使った栄養指導も実現した。
▲元総社のつるまう薬局で、薬剤師として働く大島さん
こうした取り組みと並行して、現在5人の患者が利用しているのがオンライン服薬指導だ。
一昨年、近くで長年診療していた開業医が勇退したことを機に、井上薬局も閉業を決めた。ところが、「長年かかりつけだった医師だけでなく薬局までなくなるのは残念」「薬は井上薬局でもらいたい」と惜しむ声が複数寄せられた。
その思いに応えたいと奔走、平和町の店内からオンラインで薬剤師の服薬指導を受け、薬は郵送する仕組みを整えた。
▲三代目、井上さん
「この場所の取り組みそのものが実証実験です。“未病”の領域も含んだ存在でありたい」と話すのは、折り鶴CEOで創業家3代目の井上拓民さん。
調剤という役割を終えた創業の地で、薬による病気の治癒や予防にとどまらない新たな役割を探っている。
107年の歴史が支える挑戦
こうした新しい取り組みの根底には、創業以来受け継がれてきた姿勢がある。
初代の井上鶴吉さんは大正8(1919)年9月、当時の向町に「救命堂井上薬局」を開いた。
夜遅く、「子どもが熱を出した」と戸をたたく人がいれば店を開け、地域の人の病気や暮らしに寄り添った。
薬を調合するだけではない。体のことで困ったとき、まず頼ることのできる身近な存在だった。
▲幼い頃の井上さんと在りし日の鶴吉さん
その姿勢は、時代とともに形を変えながら受け継がれてきた。
2013年には、「女工さんは水仕事をしているのに手がきれいだった」という初代の言葉をヒントに、繭に含まれる保湿成分セリシンを使った「繭石鹸」を開発した。地域に身近な繭に新しい価値を見出し、商品へと繋げた。
▲初代の言葉から生まれた繭石鹸
そして107年目の今、創業の地で始めたのが「くらしの処方箋まえばし赤城」だ。
近年、「セルフメディケーション」という言葉が広く使われるようになった。自分自身の健康に関心を持ち、日頃から健康管理に取り組む考え方だ。
しかし井上さんには、それがまったく新しいものには映らないという。
かつて町の薬局は、体のことで困ったときに気軽に相談できる、身近な存在だったからだ。
▲新しく掲げた看板
調剤に区切りをつけ、オンライン指導や健康相談、セミナーを始める。一見すると、これまでとはまったく異なる挑戦に見える。
けれど、その先にあるのは107年前から変わらない「地域の人の健康に寄り添う」という覚悟だ。
新しい形を探しながら、原点へ戻る。老舗薬局の挑戦は、そこから始まっている。
▲空襲で焼失した跡地に建て直された店舗
セミナー「夏のお肌のダメージケア!(紫外線対策とお肌の健康)」
場所 くらしの処方箋まえばし赤城(前橋市平和町1-6-20)
日時 8月27日(木) 10時から1時間程度
参加費 無料
先着20名に繭石鹸サンプルプレゼント(申込者優先)
セミナー「いつまでも元気に!(フレイル予防とセルフチェック)」
場所 くらしの処方箋まえばし赤城(前橋市平和町1-6-20)
日時 9月24日(木) 10時から1時間程度
参加費 無料
美味しく手軽にタンパク質補給のできる「オーソサプリのソイプロテイン」試飲会あり
※駐車場利用の場合は要事前申し込み
※徒歩で来店の場合申し込みなくても参加可能、但し参加特典は申込者優先
問合せ先
折り鶴本部
- お問合せはこちら
- 027-289-3636


