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肉の赤城屋 ありがとう
43年の歴史に終止符

2026.03.26

肉の赤城屋 ありがとう
43年の歴史に終止符

 前橋市関根町の精肉店「肉の赤城屋」が3月15日、ひっそりと閉店した。「あかぎ国体」が開かれた1983(昭和58)年に開店。揚げ物や焼き鳥が人気で、近所の人だけでなく遠方から通う常連もいた。

米寿の店主、現役を引退

 店主の根津昭夫さん(88)は肉の卸を営む家に生まれ、都内で20年間、精肉店を経営した。1983(昭和58)年に帰郷して自宅と店舗を構えた。

 一緒に店を盛り立ててきた息子の祐一さんが2年前、53歳の若さで急死した。閉店も考えたが、「お客さんもいるし、体の続く限りは息子の分まで頑張りたい」と気丈に店に立ってきた。

▲苦渋の決断をした根津さん

 祐一さんは前橋新聞me bu kuの愛読者だった。2023年7月、取材に訪れた際は美味しい揚げ物の作り方を教えてくれ、売り切れで焼き鳥が食べられないのを残念がると、「電話してくれれば時間外でも作るよ」と言ってくれた。店にはme bu kuを貼り出してもくれた。

▲ラードで揚げたカツやコロッケが人気だった

▲焼き鳥は秘伝のタレが自慢だった

 今年3月10日、焼き鳥を求め店に出掛けた。根津さんはすでに閉店を決めていたが、息子さんが推してくれたme bu kuの取材に遠慮したのか、閉店の気配はみじんもみせなかった。

 お礼を兼ねてカレー風味のコロッケを買いに行くと、店はシャッターが閉まり、長年の顧客に感謝する閉店の張り紙が張られていた。

▲閉店を告げる貼り紙

 電話で話をすると、申し訳なさそうに「この間はありがとう。疲れてしまって、もうのんびりさせてもらいます」と丁寧に応対してくれた。

 やはりコロッケを買いに来たという近くに住む92歳の女性が閉店を知り、「まだ若いのに。残念ね」と寂しそうに話していた。

 根津さん、祐一さん、ありがとうございました。

 2023年7月の記事はこちらから。

 2026年3月の記事はこちらから。