interview
聞きたい
小林香菜 日本人トップの7位
世界陸上女子マラソン
2025.09.14
世界陸上東京大会女子マラソンは9月14日号砲、前橋三中出身で大学時代はサークルで走っていた異色のランナー、小林香菜(大塚製薬)は日本人トップとなる7位でゴールした。タイムは2時間28分50秒。持ち前の積極さと粘りを見せ、初出場で入賞の快挙を達成した。日本人選手の入賞は3大会6年ぶり、
積極レースで一時はトップ
初めての世界の舞台で小林は積極的なレースを展開した。国立競技場を出ると先頭に飛び出し、序盤は有力選手がけん制する中、上位集団に位置付けた。
中盤からは後方集団に飲み込まれたが、10位前後をキープ。早稲田大時代に所属した陸上サークル「ホノルルマラソン完走会」で走り慣れた皇居周辺を持ち前の超高速ピッチ走法で走り向けた。
40キロ手前で7位に順位を上げ、国立競技場に入ると、入賞を確信したように左手を挙げた。
誰よりもコース知っている
レース後のインタビューで、小林選手は「このコースは大学時代走り、誰よりも知っている。本当にたくさんの人に声を掛けてくださったので、必死に必死に、何とか(入賞圏内の)8位に入ろうと粘って走りました」と喜びを語った。
テレビ中継で解説の高橋尚子さんから笑顔に浮かんだ涙の理由を問われると、「頑張ってよかった。家族、友人、コーチ、支えてくれたたくさんの人のおかげで頑張れた。その思いがあふれた涙です」とはっきりと答えた。
早大時代はサークル所属
▲ぐんまマラソンで優勝した小林選手=上毛新聞社提供
前橋三中時代に東日本女子駅伝で区間2位に入るなど将来を嘱望された小林だったが、高校は強豪校の誘いを断り早稲田大本庄高等学院に進学、早稲田大では陸上部に入らずサークルで活動した。
指導者がいない中、自らメニューを考えて練習を積んだ。強化の一環として出場した群馬マラソン女子10㌔は2022、23年と連覇した。
2024年に大塚製薬に入社してから、河野匡監督や元五輪代表の伊藤舞コーチから指導を受け、才能を一気に開花させた。
世界陸上の代表選考会を兼ねた2025年1月の大阪国際女子駅伝は2時間21分19秒で日本人トップとなる2位に入り、3人の代表に入った。
▲世界陸上出場を決めた大阪国際女子マラソン
【聞きたい小林選手】
前橋新聞me bu kuが取材した小林選手へのインタビュー記事は以下の通り。
①世界陸上への招待状届く
②運動音痴が駅伝にはまる
③市民ランナー 覚悟の転身
④世界切符つかんだ大阪の激走
⑤シンデレラ物語 最終章はロス
小林香菜
小林香菜(こばやし・かな)2001年、前橋市生まれ。前橋三中-早稲田大本庄高等学院-早稲田大法学部卒。中学2年から陸上長距離を始める。大学では陸上サークルに所属、市民ランナーとして活躍する。2024年、大塚製薬陸上部に入部。12月の防府読売マラソンで優勝、2025年1月の大阪国際女子マラソンで日本人トップの2位になる。


