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塩原友子の画業たどる
アーツ前橋で6月4日まで

2026.05.16

塩原友子の画業たどる 
アーツ前橋で6月4日まで

 前橋市出身の日本画家、塩原友子さん(1921~2018)の画業を紹介する企画展「塩原友子の日本画 線と表現、その先の祈り」が、6月14日までアーツ前橋で開かれている。教員として働きながら制作を続け、戦後に本格的に絵画を学ぶため上京。抽象表現やコラージュ、引っ掻きによる線など、独自の表現を切り開いた歩みをたどる。5月21日から一部展示替えを行う。

線が浮かぶ空間

 会場には、初期から晩年までの作品が並び、時代ごとに変化する塩原さんの表現が静かに迫ってくる。やわらかな筆致の作品から、幾何学的な構成、紙を重ねたコラージュ、画面を引っ掻いて刻んだ線まで、作品の前に立つと、一人の画家が自分の表現を探し続けた時間が見えてくる。

 群馬県女子師範学校を卒業後、教職に就いた塩原は、終戦後に画家としての道を本格的に歩み始めた。武蔵野美術学校に編入し、望月春江に師事。1952年には日本画院に初出品して奨励賞を受賞し、以後、日本画院展を中心に発表を続けた。

▲「塩原友子の日本画 線と表現、その先の祈り」展会場風景 撮影:木暮伸也 提供:アーツ前橋

▲塩原友子《友橘の里》1997年

刻み、重ねた軌跡

 転機となったのが画家、井上三綱との出会いだった。画面構成や素材、表現手法への意識が強まり、1960年代には幾何学的な構図や抽象的な要素を取り入れるようになる。紙を切り貼りするコラージュ、絵肌を引っ掻いて線を刻む描法など、従来の日本画とは異なる試みに踏み込んだ。

▲「塩原友子の日本画 線と表現、その先の祈り」展会場風景 撮影:木暮伸也 提供:アーツ前橋

 前衛的な造形表現は美術評論家の針生一郎に評価され、1966年、針生が企画した「これが日本画だ!」展に出品。片岡球子、中村正義、星野眞吾ら、戦後日本画の表現を押し広げた画家たちとともに紹介され、注目を集めた。

 晩年には曼荼羅など宗教的なモチーフも現れ、戦後の価値観の中で自らの表現を問い続けた姿が浮かび上がる。

▲塩原友子《日月曼荼羅図屏風》1983年

小、中学生向けワークショップ

 塩原さんは胡粉(ごふん)、弁柄(べんがら)を塗り重ねた画面を削り、線を描いた。その技法をつかって描く「にほんがワークショップ」が5月24日13時30分から、アーツ前橋スタジオで開かれる。

 対象は小学校中学年から中学生。定員10人で、申し込みはこちらから。参加費は無料。

塩原友子展 記念講演会「塩原友子と日本画変革の時代」
塩原さんと同時代に活躍した画家が、日本画の枠を超えて挑んだ前衛的な表現と活動について講演する。

日時 5月23日(土)午後2時~3時30分
会場 アーツ前橋 スタジオ
講師 菊屋吉生(山口大学名誉教授)
定員 40名
参加費 無料 

塩原友子の日本画 線と表現、その先の祈り
会期 6月14日まで
会場 アーツ前橋 1階ギャラリー、地下ギャラリー
開館時間 10時~18時(入場は17時30分まで)
休館日 水曜
観覧料 一般600円、学生・65歳以上・団体400円、高校生以下無料
※1階ギャラリーは観覧無料
※障害者手帳などを持つ人と付き添い1人は無料