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【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.63】
バス停の跡は丸い
2026.11.04
バス停の位置表示のポールが少し移動している事がある。その跡を見かけると、私は思わず撮影してしまう。バスの停車場所は、電車と比べれば移動が楽だという事に思い当たるからだ。
当たり前のことなのに、その事が、昔のバスを思い出させてくれるのが嬉しいのだ。
子供の頃のバスは、「この辺で降ろして下さい」と乗務員に声を掛けると停車してくれた。電車ではこうはいかない。自宅の前で下車出来るその自由さ。人間味溢れる対応。路面電車が姿を消して、バスになった。
当初は、電車と比べれば停車場が厳格ではなかったと思う。いつのまにか、バスも電車化してしまったのだ。
バス停の移動跡は丸い。世の中何事も丸くなって欲しいものだ。(笑)
Sakumi Hagiwara
萩原朔美(はぎわら・さくみ)
1946年11月、東京都生まれ。寺山修司が主宰した「天井桟敷」の旗揚げ公演で初舞台を踏む。俳優の傍ら、演出を担当し映像制作も始める。版画や写真、雑誌編集とマルチに才能を発揮。世田谷美術館に版画、オブジェ、写真のすべてが収蔵されている。著書多数。多摩美術大学名誉教授。2016年4月から前橋文学館館長(現在は特別館長)。2022年4月から金沢美術工芸大客員教授(現在は客員名誉教授)、2023年7月から前橋市文化活動戦略顧問。


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