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1200人が泣いた感動した 
まえばし市民ミュージカル「灰になった街」

2025.08.02

1200人が泣いた感動した 
まえばし市民ミュージカル「灰になった街」

 80年前、アメリカ軍の爆撃で前橋の街は焼かれ、600人近い命が奪われた。前橋空襲の悲劇を描くまえばし市民ミュージカル「灰になった街」の初日、「調(しらべ)組」の公演が8月2日、昌賢学園まえばしホールで開かれた。大ホールを埋め尽くす観客たちは泣き、笑い、感動し、「戦争を繰り返してはいけない」のメッセージを胸に刻んだ。8月3日は「奏(かなで)組」が公演する。

8月3日の公演チケットあり

 「一人ひとりのキャストの熱量が高い。舞台から熱い思いがあふれ出してきた」「3時間を超えるミュージカルだが長いと感じず、見入ってしまった」と観客の声。

 2015年、2023年に続き、3回目の上演となるまえばし市民ミュージカル「灰になった街」。10歳から71歳まで68人の市民が、昨年8月から1年間かけて積んできた練習の成果を披露した。

 物語は桑町(現在の中央通りとその周辺)の住人、前橋高等女学校生、科学で日本を勝利に導こうとする理研研究室の研究員たちを中心に展開する。恋も喧嘩も助け合いもある。さまざまな人間の営みを、破壊する戦争、空襲。残された者たちのメッセージが胸を打つ。

 8月3日の「奏組」の公演は13時開場、13時30分開演。チケットは大人2000円、高校生以下1500円。当日券もある。

 感動のミュージカルをぜひ見にいこう。

▲幕開けは1941(昭和16)年、真珠湾攻撃大勝利の報に沸き返る桑町商店街の人々。「欲しがりません勝つまでは」と歌い上げる。

▲戦時下でも若い前橋高等女学生たちは明るい。コミカルなシーンも

▲理研研究室の研究員たち。国内で手に入る材料、和紙とコンニャク糊で作る風船爆弾を開発

▲「前橋よいとこ糸のまち、8月5日は灰のまち」。米軍がまいた空襲予告ビラに動転

▲「死にたくない」、空襲に遭い、防空壕の中で息絶えていく人々

▲この悲劇を繰り返してはいけない、強いメッセージが語られる