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夕方だ、マチナカへGO!
27日「風街夕やけマルシェ」
2025.06.23

この夏、前橋市中心商店街の平日夜の姿が変わる。商店街は「商店街」というハコを提供し、その場所を使いたい人が自由な発想で利用する試みが始まる。お披露目として6月27日16時から、さまざまなジャンルの42軒が県内外から集まり、「風街夕やけマルシェ」を開く。その誕生の経緯と今後の計画について、キーマンに話を聞いた。
(取材/柁原妙子リポーター)
バラエティに富む店、店、店
「平日の午後、人通りが減ってしまう」。そんな悩みを抱える前橋市中心商店街に、新たな挑戦が始まった。「風街夕やけマルシェ」と名付けられたこの取り組みは、7月から始動する。
6月27日に開催されるお披露目会の会場は、中央通り。北は「手紙舎」前から、南は「モモヤ」や「月の鐘」前までの約170メートルにわたり、飲食21店、物販14店、サービス5店、ワークショップ2店が軒を連ねる。
夕食時にうれしいラインナップも充実。おしゃれなお惣菜、自家製クリームチーズ、タイ料理、お好み焼き、ブイヤベース、ハチノスのトマト煮込み、ハンバーガーなどが並び、クラフトジンや日本酒、マルシェ限定ウイスキーなど各種アルコールも提供される。ドライバー向けにはノンアルコールジンの用意も。
スイーツはティラミス、フルーツサンド、焼きまんじゅうマフィン、和菓子にかき氷と多彩。暑い日には一服の涼を感じるひとときになりそうだ。



さらに、ハンドトリートメントやアートセラピー、作業療法士による身体の悩み相談といった“心と体のメンテナンス系”の出店もあり、その日の気分に合わせて楽しむことができる。
物販エリアには、ハンドメイドアクセサリー、マクラメ編みやレザー製品、クラフト雑貨、ペット用おやつまで揃い、お土産探しにもぴったり。子ども連れなら、駄菓子屋や缶バッジ作り、コースター作りなどのワークショップも楽しめる。


BGMはDJブースから流れ、マルシェの雰囲気を一層盛り上げる。同時にマルシェ限定ラジオ局も開設される。
会場には椅子やテーブルを設置。中央イベント広場や、喧騒から少し離れた馬場川沿いなどで過ごすことも可能だ。

▲中央通り
14時から人出がなくなる、を打開
マルシェの発案者は、伊藤大介さん(小川屋)。「イベントとして始まるが、最終目標は『イベントでなくなること』。日常的に『行けば何かある』と思ってもらえる街にしたい」と話す。伊藤さんは、前橋中心商店街協同組合理事、一般社団法人太陽の会コミュニティデザイン部会副部会長を兼務する。

▲左から安田さん、伊藤さん、大橋さん、中嶋さん
今回の事業は、平日午後2時以降の人出の少なさを課題として捉えたもので、「ウィークデイのトワイライトから夜にかけて、街の面白さを再発見してほしい」と、鈴木ストアの大橋慶人さん。
出店料は無料。9商店街のどこでも使える形で、固定化せずに試行錯誤を重ねながら、店側と来場者の双方が「こういうことなんだ」と感覚的に理解していくスタイルを取る。「学生が何か仕掛けてくれてもいいし、店を持っている人ならマルシェを18時で切り上げて店舗の営業に戻ってもいい」と自由な発想が歓迎されている。
出店調整や行政手続きは、MAEBASHIBOOSTを手掛ける安田昌博さんが担当。その元に、コーヒーハウスシープの中嶋有亮さんら商店街メンバー10人が協力チームを組む。

▲夕刻のオリオン通り
7月は七夕まつり期間中の11日を除き、毎週金曜16時~21時に開催が決定済み。すでに出店枠は埋まっている。秋以降に本格稼働し、平日毎日の開催を目指す。目標は「来春の定着」。ただし、伊藤さんは「強風の冬が心配」とも語り、今後の工夫にも期待がかかる。
運営は、事業を永続させるため、初の実行委員会形式をとる。委員長は前橋中心商店街協同組合の大橋さん。ほか太陽の会、共愛学園前橋国際大学、前橋市まちづくり公社、前橋商工会議所と、産官学の連携が実現。持続的な“まちのにぎわい”のモデルとなるか注目される。

▲夕刻の馬場川通り
風街夕やけマルシェ 初開催
会場 前橋中央通り商店街アーケード
日時 6月27日金曜 16時-21時
ウェブサイト https://m-machinozoki.com/kmym
前橋中心商店街協同組合
オリオン通り、銀座通り一丁目、銀座通り二丁目、竪町通り、立川町大通、中央通り、千代田通り、馬場川通り、弁天通りの9商店街(通称「Qのまち」。通りが9あることと、地図でこの通りを繋げて見ると、ローマ字の「Q」の字に見えないこともないことから名付けられた)から各1社とスズラン前橋店 の10社で組織される。