watch

見たい

稜線がつなぐ前橋の街
国際コンペの最優秀決まる

2025.04.10

稜線がつなぐ前橋の街
国際コンペの最優秀決まる

 JR前橋駅と群馬県庁を結ぶメーンストリートの空間デザインの国際コンペの最優秀作品が決まった。「稜線がつなぐ まちづくり 前橋リッジライン」をテーマにした作品。前橋の街中にある居場所や魅力、自然、文化を前橋の山々の稜線(リッジライン)のようにつなぐデザインを提案した。2025年度中に最優秀作品の提案者と基本設計契約を締結、地元調整を進める。完成は2040年を見込んでいる。

前橋駅-県庁の空間デザイン

 最優秀作品は赤城山を望む五差路を生かし、歩行者や自転車、車椅子で移動できるようにしているほか、駅前のけやき並木、国道50号、県庁前通りと続く通りを既存の施設と共存しつつ、樹木や水辺を設けたり、イベントと絡めてにぎわいを創出するアイデアを散りばめている。五差路や県民広場にはテーマに沿った山の稜線をイメージしたスロープを設ける。

 コンペは前橋駅-県庁間の道路(約1・5㌔)と県庁前の県民広場の空間整備の対象に、群馬県が昨年10月から募集を始めた。一般車両の通行を規制、公共交通と歩行者、自転車を中心とした空間「トランジットモール」とすることを条件に盛り込んだ。

▲前橋駅前のけやき並木

▲国道50号はイベントを展開する

 13チーム44者から応募があり、5チームが二次審査に進出。3月22日に開かれた公開プレゼンと二次審査で最優秀作品が決まった。
 最優秀作品の提案者はマウントフジアーキテクツスタジオ一級建築士事務所(東京都)を代表とする国内外の5社で、前橋市の三陽技術コンサルタンツが含まれている。賞金は2500万円。

▲四季を通して憩える県庁前通り

▲県庁前の県民広場

最優秀作品の主な評価のポイント

① 五差路を含めた全体デザインが、前橋の豊かな自然や文化、街の特徴である壮大な空の広がりと山並みを望む景色など、前橋ならではの強みやアイデンティティを的確に捉えている。
② 自然と文化を融合させた世界に誇れる全体デザインは、今後100 年の都市の変化を支えるものである。
③ 県民広場は、現在のフレキシブルな活用を残しつつ、メ-ンストリートのトランジットモール化に対応したモビリティハブの設置により、現在の特徴と未来の可能性を融合させている。
④ 市民との対話を通じてデザインをつくりあげることで、市民にシビックプライドを醸成させ、将来に渡って愛され、賑わい、輝き続ける街にするというプロセスを重視している。