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自然の優しい美しさ感じて
クレイグさんが前橋で作陶展

2023.01.28

自然の優しい美しさ感じて
クレイグさんが前橋で作陶展

オーストラリア出身の陶芸家、ユアン・クレイグさん(みなかみ町)の作陶展が1月28日、前橋・ノイエス朝日で始まった。独自に編み出した自然に優しい技法、窯焼きで作り、「自然の力を借りて、自然の優しい美しさを引き出した」と表現する器、300点を発表している。2月5日まで。

美しさと機能性と遊び心と

「器は作って終わるのではなく、使って初めて完結する。常に使う人のことを考えている」。そう話すクレイグさんの作品は美しく、機能性、遊び心に富んでいる。三段重ねは内側が黒く、「料理と器が対話するように互いを引き立てる」。丸い盃は酒を注ぎ覗き込むと鏡のように映り、ビール呑みは細かい泡が立ち、味が格別によくなるという。

▲三段重ねの器。おせち料理に合いそう

▲左の酒器は酒を満たすと鏡のようになる

▲細かい泡が立つというビール呑

▲蕎麦猪口(写真手前)も土の柔らかさが伝わるよう

クレイグさんは1964年、オーストラリア生まれ。14歳の時、「陶芸に人生をかける」と決意、大学で学び独立した。90年に来日、人間国宝の島岡達三の門下に入り、94年、栃木県益子町を拠点とした。東日本大震災を機に2011年、奥さんの美果子さんの祖母の実家であるみなかみ町の築150年の古民家に移住、新たな窯を築いた。

▲中央に飾られた大きな壺。細かい模様がある

塩彩の技法を改良し炭酸ナトリウムを用いることで塩素を発生させず、器をガラス状にコーティングすることに成功。窯は少量の間伐材や廃材でも高温で焼き上げるよう自ら製作した。

淡いオレンジがかった器が多いのは自然の美しさを描写しているから。「夕日はどの人にも優しい。ほっとするような気持ちを使う人に伝えたい」と穏やかな口調で語り掛ける。

▲気軽に作品を解説してくれるクレイグさん

ユアン・クレイグさん作陶展
・会場 ノイエス朝日(前橋市元総社町73-5)
・会期 1月28日~2月5日
・時間 10時~17時

問合せ先

ノイエス朝日

お問合せはこちら
027-255-3434