watch
見たい
97人の音が響き合う
ローズ・ウィンドアンサンブル初の成果発表会
2025.03.05

3月8日、ローズ・ウィンドアンサンブルの成果発表会が、昌賢学園まえばしホールで開かれる。同団体は、前橋市で活動している中学生から社会人までの吹奏楽人の、1年を通した練習会という地域活性化プログラム。様々な年齢層が交流することで、演奏のみならず人間性の育成の機会としても期待されている。「吹奏楽で学校教育(部活動)と社会教育(一般バンド)を結ぼう!」を合言葉に、どんな響きを奏でるのか。
(取材/柁原妙子リポーター)
メンバーは中学生中心
今年度は、中学10校から59人、高校2校から23人、市民楽団2団体などから15人、合計97人が集結した。基礎の定着を主軸としたケヤキセクション44人、音楽的な発展を主軸としたローズセクション53人(打楽器9人は両セクションを兼任)の2セクションで構成。昨年6月30日に始動し、毎月2回程度練習を重ねてきた。
運営は、前橋市内の中高吹奏楽部顧問や市民吹奏楽団の有志による実行委員会。

作曲者によるレッスンも
普段の部活動では経験のできないこととして、発表会で演奏する曲の作曲者によるレッスンも組み込まれた。
「さくらのうた」作曲者、福田洋介さんによるレッスンでは、中学生にも伝わりやすい言葉や例え話などで、笑いも交えつつ情熱的な指導が行われた。「こちらが投げかけたことにすぐに応えようとする姿勢に、清々しさを感じました」と福田さん。

参加者もそれぞれに収穫を得た様子だ。
「楽譜の読み取り方の価値観がガラッと変わった」(富士見中学2年山本詩乃さん:コントラバス)、「音の運び、重心の置き方には部活動でも顧問の先生に指導されているが、今日のレッスンの“踊り”という例えによって、自分の中でさらに捉え方が広がった」(県立前橋南高2年、吹奏楽部部長鏑木和香子さん:オーボエ)、「県立前橋東高では吹奏楽部だったが、大学ではロックをやっている。今日のレッスンで出てきた“メロディーと伴奏”という概念が、音楽の作り方がクラシック調とロックとで違うと再確認できた」(高崎健康福祉大農学部3年宮嶋耕佑さん:コントラバス、ベース)と感想を話す。

指揮者枠で応募した第七中吹奏楽部副顧問の小野豊和さんは、「“こういう音を作りたい”というヒントを与えると、プレーヤーが考えて音を作っていたことが驚きだった。音作りの指導の部分での自分の課題にも気付きが得られた」と感銘を受けていた。
彩葉吹奏楽団の阿部晴香さん(トランペット)は「参加者の中心である中学生に向けたレッスンだと感じた。大人と学生とで演奏の違いを感じていて、自分も学生に合わせた演奏を心掛けている」と、大人ならではの視点も。

10曲を演奏
発表会では各セクション3曲ずつと、合同演奏4曲の合計10曲を演奏。活動の初年度ということで、前橋南高出身の作曲家、福島弘和さんに依頼した委嘱作品も披露する。
指揮は、客演指揮に和田直也さん、福田洋介さん。実行委員から稲毛信哉さん、島崎和也さん、五十嵐大輔さん、湯浅純平さん。小野豊和さんは「吹奏楽のための『エール・マーチ』」を担当。他に、県立前橋商業高校吹奏楽部顧問、牧野勇さんのドラム客演演奏もある。

ローズ・ウィンドアンサンブル 成果発表会
日時 3月8日(土) 開場13時 開演13時30分
会場 昌賢学園まえばしホール 大ホール(前橋市南町3-62-1)
入場料 無料
曲目 〈ケヤキ・セクション〉「彼方の光を掴むとき」(客演指揮:和田直也)「Make A Joyful Noise ! 」〈ローズ・セクション〉「さくらのうた」( 客演指揮:福田洋介)「エル・カミーノ・レアル」〈合同演奏〉「赤い薔薇の行進曲」(委嘱作品)ほか