watch
見たい
僕らはみんなアーティスト
特別支援学校の生徒が作品展
2025.02.22

前橋市立前橋特別支援学校(まえとく)の児童、生徒の作品を集めた「まえとくの生徒展示&ぽんちゃんの原画展」が2月22日、道の駅まえばし赤城の福祉ショップ「SHOP CAFE Q(キュー)」で始まった。小学1年生から中学3年生まで17人の個性豊かな作品が並ぶ。中学3年生でアーティストとして活動している「ぽんちゃん」の原画も展示、カフェはすっかり美術館となっている。3月9日まで。
ぽんちゃんの原画も展示
会場にいたぽんちゃんに絵をお願いしたら、ペンで猫を描き始めた。「猫好き?」と聞くと、はにかんだ笑顔で「うん」。即興で新作が誕生した。

▲ぽんちゃんが即興で描いた猫の絵
自閉スペクトラム症のぽんちゃんは絵画カードで家族と会話するのがきっかけで絵に興味を持ち、3歳から描き始めた。動物やディズニー映画のキャラクター、スーパー戦隊、機関車など好きな対象が順々に巡ってきて、夢中でキャンバスに向かっている。
原画展では15歳になった現在までの作品12点を展示している。ディズニー映画の「カーズ」の絵は5歳と15歳の作品が対比でき、筆圧が強く線が太くなった成長の跡がうかがえる。

▲5歳の作品(左)と15歳の作品

▲猫にしたお母さん
人物を描かないぽんちゃんがお母さんの金里香さんに頼まれて描いた13歳の作品は『猫になったオンマ』と題して、オンマ(ママ)を猫にしている。
「絵を描く仕事をするの」と質問すると、「うん」とひと言。金さんは「アーツ前橋やジンズパーク前橋で展示会をした際、鑑賞した人から『すごいね』と褒められて本人も喜んでくれた。絵は社会と繋がるツール。彼の世界が広がっていくのを楽しみにしています」とそっと期待している。

▲ぽんちゃんとお母さん
工芸作品を特別販売
同時開催の特別支援学校の展示も負けずに力作が集まった。中学1年の男子は物を一度見ただけで記憶できる能力が高く、精巧な漫画を出品している。
人気キャラクターや友達の似顔絵、抽象画、立体工作もあり、ぽんちゃんに続くアーティストの誕生が待たれる。

▲「まえとく」の児童、生徒の作品
中学部が班活動として取り組んでいる木工、陶芸、手芸、クラフトは作品を販売している。
前橋特別支援学校教諭で企画実行委員会の森田仁さんは「失敗することの方が多く、製品にするまで大変な思いをしている。売れたという成功体験で喜びを感じ、制作意欲を高めます」と来場を呼び掛けている。

▲生徒の力作をPRする森田先生
まえとくの生徒展示&ぽんちゃんの原画展

・会期 2025年2月22日(土)~3月9日(日)
・休館 火曜日
・時間 10時~17時
・会場 SHOP CAFE Q(キュー)(道の駅まえばし赤城内)
・問い合わせ 027-288-0109