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【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.41】 劇場 は 何処 にあるのか 。
2025.01.16

前橋に劇場が少ない。必要だ。
しかし、劇場が無い不幸よりも、劇場が無いと嘆く事が最も不幸なことだ。人々が劇場を欲している、そのこと自体を嘆くべきなのだ。いつでも、どこででも、誰でも芝居が出来る。そんな環境になれば、人は劇場など望まない。
劇場は、あるものではない。なるものだ。広場は劇場である。教会は劇場である。校舎は劇場である。空き家は劇場である。病院は劇場である。市役所は劇場である。中央通り商店街は長い松の廊下である。
劇場を欲している者は、劇場が幾つあっても欲し続けるだろう。劇場が自分の中にある事を自覚しないからだ。劇場は出来事だ。堅牢な建造物ではない。見えるものみんな劇場になりたがっている。劇場にしてあげよう。叶えてあげよう。そう決めれば話は早い。
と、まず宣言して、最近劇場に転用可能な建物を探している。(笑)建物から抜け出せないのは、老化のせい?(笑)
Sakumi Hagiwara













萩原朔美(はぎわら・さくみ)
1946年11月、東京都生まれ。寺山修司が主宰した「天井桟敷」の旗揚げ公演で初舞台を踏む。俳優の傍ら、演出を担当し映像制作も始める。版画や写真、雑誌編集とマルチに才能を発揮。世田谷美術館に版画、オブジェ、写真のすべてが収蔵されている。著書多数。多摩美術大学名誉教授。2016年4月から前橋文学館館長(現在は特別館長)。2022年4月から金沢美術工芸大客員教授、2023年7月から前橋市文化活動戦略顧問。
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