watch

見たい

「少佐」「あっちゃん」永遠に
前橋で田中敦子さん追悼展

2024.11.14

「少佐」「あっちゃん」永遠に
前橋で田中敦子さん追悼展

 人気アニメ「攻殻機動隊」のヒロイン、草薙素子役を30年務め、今年8月に急逝した前橋市出身の声優、田中敦子さんを偲ぶ追悼展が11月14日、JR前橋駅北口の複合型ビル「アクエル前橋」内のヒストリア前橋で始まった。開会セレモニーでは、前橋女子高ダンス部で田中さんの1学年先輩だった舞踏家、松村智恵子さんが「めぶく。」前橋を願って語った田中さんのナレーションに合わせて即興で追悼のダンスを披露した。

高校時代や地域活動も紹介

 11月14日は田中さんの62回目の誕生日。追悼展は江戸時代から現代までの前橋の歴史を学ぶヒストリア前橋のテーマシアターで案内役のネコの声を吹き込んでいる田中さんの功績を伝え、永遠に残そうと企画した。

 声優としての活躍に加え、前橋女子高時代に所属していたダンス部の思い出、前橋BOOK FESや前橋市花火大会への参加といった地域への貢献活動を写真や新聞記事、音声を駆使して紹介している。

▲花火大会でのナレーションを聞ける

▲ダンス部時代の活動を紹介するコーナー

 開会セレモニーには熱心なファンや親交のあった人たち50人ほどが集まった。声優仲間からの献花に続いて全員で黙とうを捧げた。
 追悼ダンスを披露した松村さんは「田中さんの声がみんなを励ましてくれる。これからの人たちのために風になって、雨になって、太陽になって育てていく心を忘れてはいけないと、ナレーションを聞きながら踊りました」と語った。

 松村さんと同学年のダンス部OG、大木静花さんは「あっちゃんはしとやかで気品ある華やかさを漂わせていた。ダンスのために生まれてきたようだった。声優としての表現活動のいにしえになったと伺い、誇りに思います」と共に過ごした青春時代を振り返った。

 

▲田中さんのことを思い出しながら踊る松村さん

▲「あっちゃん」「しいちゃん」と呼び合った大木さん

 結びに、田中さんの4つ下の妹、宮田恵子さんが「故郷に恩返ししたいとイベントに出させていただきました。ヒストリアのナレーションは闘病中でご迷惑を掛けましたが、彼女の愛した前橋の歴史を伝えるプロジェクトに参加でき、声を残すことができたことを喜んでいました。作品の中の田中敦子を愛してくれれば幸いです」と感謝の言葉を述べた。

▲田中さんとツーショットの宮田さん

田中敦子(たなか・あつこ)

 1962年11月、前橋市生まれ。南橘中-前橋女子高-フェリス女学院大卒。会社員を経て、東京アナウンスアカデミー声優養成コースに通い、27歳から声優に転身する。2020年、第14回声優アワード外国映画・ドラマ賞を受賞する。2024年8月、病気のため死去。享年61。

田中敦子さん追悼展

お問合せはこちら
027-226-6013
・会期 2024年11月14日(木)~
・時間 10時~17時(最終入場16時30分)
・会場 ヒストリア前橋(アクエル前橋2階)
・休館 火曜(祝日の場合は翌日)
・入館 無料