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使えて、魅せる工芸の世界
群馬工芸美術会が五月展

2024.05.11

使えて、魅せる工芸の世界
群馬工芸美術会が五月展

群馬工芸美術会(豊嶋康男会長)の第10回五月展が5月11日、ノイエス朝日で始まった。陶芸、染織、金属、皮革など会員22人が多彩な作品を出品している。工芸の本来の役割である実用性を意識しながら、美しさを追求した作品が目を楽しませてくれる。5月19日まで。

5月19日までノイエス朝日

陶器のコーヒーカップ、七宝焼きのペンダント、ガラスのスタンド、錫の箸…。会場では日常生活で使えながら、生活が楽しくなるような魅力的な作品を展示、即売している。

高柳千秋さん(前橋市)は手編みのペットボトル入れや携帯入れ、バックを出品するとともに、「パラレルワールド」と題した藍染めのタペストリーを展示している。自分の背よりも大きな高さ170㌢ある大作で、「紐を編み、宇宙を表現した」と話している。

▲高柳さんと「パラレルワールド」

▲福島さんと「何処へ」

皮革で唯一出品した福島祐子さん(前橋市)の「何処へ」も見ごたえのある大作。「発泡スチロールを削って牛皮を貼り、アクリルで着色したら、タイトルのようなイメージになった」と解説する。

友禅作家、永井與子さん(安中市)は手軽に使えるハンカチや封筒とともに、「友禅で絵を描いてみたら楽しくなった」と「秋深く」などの風景画を発表している。

▲永井さんと「秋深く」

▲座繰りを再生させた豊嶋会長の花器

金属工芸の豊嶋会長は錫の皿やぐい飲みなどの“本職”を出品する一方、「いろいろなことをやり始めたくなって」と、座繰りの部品を再利用した花器を会場入口に飾っている。「伝統的な仕事による作品から現代的な芸術品まで、作者の個性と思いの詰まった力作が揃った」と鑑賞を呼び掛けている。

群馬工芸美術会は発足して40年。企画展は前橋市と高崎市で隔年で開いている。

今回の出品者は次の通り(敬称略)。

◇陶芸    井上清、樺沢均、滝沢宏明、西巻千代子、平尾卓哉、福島慶治◇染織 新井悦子、高柳千秋、永井與子、前田勝利、増田洋子、吉村晴子◇七宝 荒木真由美、大倉美枝子、中島たか子◇木工 三澤実◇漆芸 千葉功◇金工 豊嶋康男、藤田美惠子◇ガラス 大坪修◇皮革 福島祐子◇紙 堀昌子

第10回群馬工芸美術会五月展

お問合せはこちら
027-255-3434(ノイエス朝日)
・会期 5月11日(土)~5月19日(日)
・時間 10時~17時(最終日は16時)
・会場 ノイエス朝日(前橋市元総社町73-5)