【前橋まちなか新聞▶︎】群馬に凱旋中央通りのカレー専門店

2024.04.10

前橋市中心街の個性的なお店やご主人を紹介する「前橋まちなか新聞」で掲載された記事をあらためて紹介します。新聞は元気21まえばしや、前橋まちなかエージェンシーが運営するcommなどの中心街の各施設や市内の支所、公民館、商業施設で配布されています。

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月の鐘

林龍男

昨年9月にオープンした「月の鐘」は、中央通り商店街に建ち並ぶレンガ調のお店のひとつ。オリジナリティ溢れるカレーが楽しめ、麦豚のヒレカツや旬野菜の素揚げといった地産地消に拘ったトッピングも嬉しい。ディナー営業ではバルとしての利用やコース料理の宴会も可能だ。店主は高崎出身の林さん。貿易の仕事に勤めていたが、学生時代のバイト経験が忘れられず飲食業界に転職。やるなら世界に通用するようなお店を、と修行先に選んだのは世界でも評価の高いドバイの日本食レストラン「ZUMA」。期待を胸に19年にドバイへ渡るも、コロナ禍に突入し帰国を余儀なくされる。帰国後は自身で起業。21年には群馬の食材を使った居酒屋「だるま酒場」を東京は神田にてオープンさせ、翌年には赤坂に2店舗目を構えた。群馬でも何かできないかと模索していた頃、群馬の起業家を支援するビジネススクール（GIS）を知り参加。これが転機となり前橋に出店を決めた。「名前のないカレー屋」として開店準備が始まり、店名は地域住民から募集。採用者には1年間カレー無料という前衛的なPRがすっかり話題となり、応募数は250件にも及んだ。太陽に照らされた月が街を照らすように、月の鐘もまた商店街を照らす存在となっている。