interview

聞きたい

看板変われど地域のために
クライムの金井社長に聞く

2024.04.08

看板変われど地域のために
クライムの金井社長に聞く

世界最大級の総合コンサルティング、アクセンチュアとの買収に合意したシステム開発のクライム(前橋市)。業績が安定している中、なぜオファーを受け入れたのか。創業以来、35年にわたり社長を務める金井修氏に聞いた。

年内にもアクセンチュアに

――業績が順調で前橋市が進めるデジタル事業を推進している。買収に応じた理由は?

2つある。一つは『従業員の幸福度最大化』のため。クライムとしても上場を計画していたが、すでに上場して大きなビジネスを展開しているアクセンチュアの一員になった方が従業員のスキル、キャリアが高まると判断した。アクセンチュアの専門分野に特化した優秀なエンジニアと同じチームで仕事をする中で、これまでの規模とはまったく違う数万人を相手にしたシステム開発が可能となる。

二つめは既存のユーザーのメリットを考えた。総合コンサルとして、戦略的なシステム開発からオペレーションまでワンストップでサービスを提供できる。ユーザーにとってもメリットがある。

――合併の話はどちらから出たのか。

アクセンチュアから昨年、お話をいただいた。他にもいろいろなオファーはあったが、アクセンチュアだから受けた。相思相愛だった。

――アクセンチュアとは協力関係にあった。

昨年5月に群馬県庁に拠点を開設して以来、前橋市や群馬県のデジタル事業の取り組みを高く評価していただき、協力して事業を進めてきた。

買収にあたっては別々でいるより、一緒になった方がよりシナジーを得られるとの考えで両社が一致した。

――大学時代の夢をかなえて自ら起業したクライム。名前がなくなるのはさみしくないか。

正直に言えば、さみしくないわけはない。ただ、世界有数の企業の一員として仕事をできる喜びの方が断然大きい。

――クライムはぐんまプログラミングアワード(GPA)を企画するなど、地域に密着し地域貢献に努めてきた。これからはどうなるだろう。

看板は変わっても、前橋市や群馬県のことを思い、企業として活動していく姿勢はまったく変わらない。むしろ、コンサルとしての業務が加わり、地域活性化や次世代人材の育成といった部分でもこれまで以上に地域のお役に立てると思う。