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「ムットーニと語る 朔太郎のことばの森」
23日、前橋文学館で

2023.12.11

「ムットーニと語る 朔太郎のことばの森」
23日、前橋文学館で

音と光、人形達の織りなす幻想的な作品世界が高い評価を受けているムットーニのボックス・シアター。2018年以来、萩原朔太郎の詩をテーマとした作品が前橋文学館にも常設され、多くのファンを魅了している。12月23日(土)14時から開催される、前橋文学館開館30周年記念イベントVol.2「ムットーニと語る 朔太郎のことばの森」では、同館収蔵2作品の制作秘話と、朗読を担当した萩原朔美館長らの鼎談で、作品の魅力に迫る。(取材/中村ひろみリポーター)

ムットーニ作品とは「時間」を見ること

ちょっとむずかしい朔太郎の詩が、ムットーニの不思議な作品になると、なぜか身近でわかりやすくなる。小さな箱の中にはあっと驚く仕掛け満載で、独特な没入感も魅力だ。

「ムットーニは多くの文学作品を扱っていますが、小説の場合、抜粋で済むけど、詩の場合はもとの作品が短いので、ボックス・シアターにする際、解釈が必要になる。その解釈が僕なんかには予想外で、そこがムットーニこと武藤政彦さんのおもしろさだと思うね」と朔美館長は言う。

また、からくり仕掛けの特性上、人形を含めた装置が最初と同じ位置で終わるストーリー展開が必要で、その縛りがむしろ、新たな魅力につながる。「ムットーニの作品は人形を見るんじゃなくて、その円環する『時間』を見ることなんだよね」と館長は作品の楽しみ方を教えてくれる。

▲「殺人事件」(2018年 前橋文学館蔵):朔太郎愛好家にもファンの多い詩「殺人事件」は、「曲者」が誰なのか、探偵や第三者といろいろ議論されているが、このボックス・シアターにはムットーニ独自の解釈が施されている

▲「風船乗りの夢」(2020年 前橋文学館蔵)

朔太郎とムットーニ作品の魅力を語る

2021年前橋文学館企画展「ああ これはなんという美しい憂鬱だろう―ムットーニのからくり文学館」では作品自体も好評だったが、作者・武藤さんによる解説の口上が評判を呼んだ。そこで開館30周年記念イベントにあらためて登場することとなった。

第1部では、作品の上映と、発想力と手間が必要になる制作秘話を作者本人が語る。続く第2部では鼎談「朔太郎のことばと声」と題し、武藤さんと、作品「アンダー・ザ・ムーンズ」の朗読を担当した館長、フリーアナウンサーの萩原玲子さんの三人で、朔太郎のことばや声に出して読む魅力について伝える。

担当の高坂麻子さんも「前橋含め全国に多くのファンをもつ生ムットーニの登場です。当日は、サプライズも用意しているのでご期待ください」と多くの来場を呼び掛けている。

※「メトセラサイト」では武藤さんのインタビューとムットーニ劇場「殺人事件」を特別に見ることができる(要アカウント登録)。

▲「アンダー・ザ・ウッズ」(2021年 前橋文学館蔵)

▲「アンダー・ザ・ムーンズ」(2021年 前橋文学館蔵)

前橋文学館開館30周年記念イベント
「ムットーニと語る朔太郎のことばの森」
日時/ 12月23日(土) 13時30分開場 14時開演
会場/前橋文学館3階ホール
定員/80人(要予約)
入場料/ 500円(朔太郎展示室・新収蔵資料展も観覧できます)
第1部 講演・上映「てふてふの森」出演 武藤政彦
第2部 鼎談「朔太郎のことばと声」出演 武藤政彦、萩原朔美(前橋文学館長、「アンダー・ザ・ムーンズ」朗読)、萩原玲子(東京アナウンス学院講師、「アンダー・ザ・ムーンズ」朗読)

 

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住所 前橋市千代田町3-12-10