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食とアートの関係をめぐる 
タカ・イシイギャラリー前橋で「FOOD for THOUGHT」

2023.09.27

食とアートの関係をめぐる  
タカ・イシイギャラリー前橋で「FOOD for THOUGHT」

まえばしガレリア1階の「タカ・イシイギャラリー 前橋」では11月12日(日)まで、食とアートとの関係をめぐるグループ展「FOOD for THOUGHT」が開催されている。食はアートにおいて、アイデンティティ、時間、生、文化などを象徴するものとして描かれてきた。同展ではさまざまな作家が、思い思いの方法で描写した食に関する作品を展示する。

映像、絵画、写真、陶磁器で

マリオ・ガルシア・トレスの映像作品では、果物と花の腐敗が進行するなか、故人であるメキシコ人画家、エルメネヒルド・ブストスに宛てた手紙を通じて、あるひとつの作品が別々の時代に別々の意味を担うことについての思索が展開される。

キュビズムの画家、ジョルジュ・ブラック、現代美術の作家、デヴィッド・ホックニーとスターリング・ルビーは、それぞれに絵画という伝統的なジャンルに正面から立ち向かい、写真家、森山大道は、媒体としての写真に対する新鮮なアプローチに取り組む。

荒木経惟、五木田智央、奈良美智、奈良原一高、高梨豊の写真作品にも食を楽しむシーンを見ることができる。

▲Sterling Ruby “DRFTRS (5032)”, 2014 Collage, paint and glue on paper 27.9 x 43.2 cm © Sterling Ruby Courtesy of Taka Ishii Gallery 1

▲Ikko Narahara “Domains”, 1958 Gelatin silver print Image size: 16.9 x 24.8 cm Paper size: 25.1 x 30.8 cm © Ikko Narahara Courtesy of Taka Ishii Gallery

今回の展覧会では、日用品の美や職人の技を軸として日本で発展した、民藝運動に関連する書の作品や機能的な陶磁器も展示される。

民藝運動を提唱した濱田庄司、河井寛次郎、柳宗悦、沖縄に特有の陶磁器に民藝の哲学を取り入れた金城次郎といった作家たちの作品が私たちに促すのは、暮らしのあり方そのものや職人の精妙な仕事にあらためて目を向けることだ。

ポップ・アートやコンセプチュアル・アートにおける食、パフォーマンスを介した経験としての食、調理というパフォーマンスとしての食…。人間との文化的、政治的、経済的、社会的な関係性を通じて、食は私たちの魂に語りかけてくる。

▲William J. O’Brien “Offering Bowl”, 2021 Ceramic 12.7 x 34.3 x 33 cm © William J. O’Brien Courtesy of Taka Ishii Gallery

【作品を出展するアーティスト】荒木経惟、ジョルジュ・ブラック船木研兒、マリオ・ガルシア・トレス、五木田智央、濱田庄司、デヴィッド・ホックニー、掛井五郎、加守田章二、河井寛次郎、ケラミコス、金城次郎、森山大道、村瀬恭子、奈良美智、奈良原一高、ウィリアム・J・オブライエン、パブロ・ピカソ、スターリング・ルビー、島岡達三、高梨豊、築地仁、柳宗悦。

【お気に入りのレシピの紹介という形で本展に参加するギャラリー・アーティスト】マリオ・ガルシア・トレス、五木田智央、グラシエラ・イトゥルビデ、奈良美智、スターリング・ルビー、ケリス・ウィン・エヴァンスほか

グループ展 「FOOD for THOUGHT」

会期: 2023年9月17日(日) – 11月12日(日)
会場: タカ・イシイギャラリー 前橋(前橋市千代田町5-9-1 まえばしガレリア 1F)
開館時間: 11時~19時
定休日: 月・火・祝

問合せ先

タカ・イシイギャラリー前橋

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027-289-3521