廃棄布に新たな生命宿す
Nokkaさん アーツ前橋でポップアップ

ショップに入り、すぐに目を奪うのがハロウィン用のオブジェ。使われなくなった帯と羽織を使い、お化けを想像させるようにマネキンに着付けている。

古い着物の生地はソファーの足置きにするオットマンにも利用、愛猫に引っかかれた布を張り替えた作品を展示している。

「マンホールから咲いた花（水道局公認）」と題したブローチはアップサイクルではなく、白い布花専用の生地をカット、染め手作業を施し、市のマンホールに採用しているバラの花に仕立てた。

手芸用の毛糸やフェルトで作った苔玉は「思いつきで作ったら予想外にかわいい」と非売品として展示。興味のある人がいればワークショップを開くという。

大工さんをしていた父親と和洋裁を営んでいた母親のもとで育ったNokkaさんは自然とものづくりに興味を持ち、服飾・アクセサリーのデザイナーとなった。「洋服を大量に売り、大量に返却する流れの中にいた。ごみを生む片棒を担いでいた」との自戒から、2021年に埼玉県から前橋市に転居しアップサイクル手芸家として活動している。