【前橋元気プロジェクト▶︎】
ｙa-gins（ヤーギンズ）
作家と市民の交流の場に

自らもアーティストである八木隆行さんが代表を務める。元々は｢Ya-man’s cafe｣というギャラリーとカフェが一体となった作家の交流の場。閉鎖に伴い、｢この場所を壊してしまうのはもったいない｣という思いから引き継ぎ、　　2012年11月にオープンした。

弁天通りにひっそりと佇んでいるアートスペースは、柔らかさを感じる白い壁と無機質なコンクリートの床というシンプルな内装。観覧する人を展示作品に自然と集中させる。

年4、5回ほど行われる企画展のために使われており、一般的な貸画廊とは異なる。

ギャラリーの奥には、地域作家の作品を展示しているスペースやコミュニティスペースが続く。たびたび、作家や地域の人も訪れ、交流の場になっている。

昨年12月の取材時、ya-ginsが主催した｢River to River 川のほとりのアートフェス｣が広瀬川から馬場川までの街中、７会場で開かれた。異なる作家の作品が展示され、公開制作や劇団による公演も行われた。

閉鎖された銭湯や歴史的建造物も会場になっており、前橋の現在と過去に触れることができた。「そこで感じた思いが、また川の流れのように未来へとつながっていくように、」との願いが込められていた。
（取材・棚橋花帆）